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Case.17 ページ19

規則正しいエンジン音を聞きながら、私は助手席で不貞寝を決め込んでいた。
散歩になんか出るんじゃなかった。
なんでこんなことになったのか、元を辿ればそれに尽きる。
案内された喫茶店にバーボンがいるなんて聞いてない。別に会いたくなかったわけじゃないし、敢えて声をかけたのも、相手が公安なら協力関係になった方が都合がいいと思ったからだ。秀一の件は別にして。
車に押し込まれた後、バーボンが荷物を取りに行っている間に秀一にメールを入れたら、何故か《Good luck》と返ってきた。見捨てやがったわねあの男。
しかも、戻ってきたバーボンが助手席で撃沈している私を見て言い放った。

──僕が離れた隙に逃げるかと思いましたが、待てが出来て偉いですね

ヒールで殴ってやろうかと思った。
それを経ての不貞寝。バーボン相手に肉弾戦は不利だと分かってるから我慢できてるけど、隙を見せたらただじゃおかない。
が、困ったことが1つ。

どうしよう、本当に眠い。

ジェットラグがまだ抜けきっていなかったらしい。朝から動きっぱなしだったし、規則正しい振動に揺られて、唐突な眠気が襲ってきた。基本的に睡眠欲には忠実なんだけど、この状況で寝るってどうなんだろう。いや、ギムレットなら寝てるな。
というか、今はむしろギムレットを演じた方がいいのかもしれない。
私がFBIだってバラしたら、バーボンはきっと同じ家に住む“沖矢昴”とFBIの関係を再び怪しむ。だから正体を明かすのは秀一と話し合った後にしようと、喫茶店では一応予防線を張っておいたわけで。
決まりだ。今の私はギムレットだ。なら存分に寝よう。


そうして潔く手放した意識を再び取り戻したとき、私は知らない部屋のベッドに寝かされていた。


どこかのセーフハウスかと思ったけど、生活感のあるこの部屋は、多分そういう場所じゃない。

「…あ、起きましたか」

ドアの向こうから顔をのぞかせたそいつは、片手に私のスマホを持っていた。

「…欲しい情報は手に入った?」
「いいえ。残念ながら、セキュリティが固くて開けられませんでしたよ。さすがですねギムレット」
「嬉しくない」

ごろんと寝返りを打って壁側を向く。
たぶん、ここはバーボンの家だ。こんなところに連れてくるってことは、まだ組織にも公安にも突き出すつもりはないらしい。

「そこで寝るのは構いませんが、そのカラーコンタクトを外してからにしては?危ないですよ」

正論だ。でもコイツに言われると腹立つな。

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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます!キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2022年5月19日 23時) (レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー! (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月18日 2時

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