経理部の大瀬さん[赤] (ページ9)

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山崎「...どう？落ち着いた？珍しいねAちゃんが泣くなんて、理由聞いてもいいの？」

いつもよりさらに優しい声の山崎さん。

『人生初の大失恋をしてしまったのです..』

山崎「あははは。振られて泣いてたんだ、なかなか純粋だねAちゃん。」

『もーーー笑わないでくださいー！！！！これでも久しぶりの本気の恋だったんです！！！！』

山崎「で？相手は？山田？」

...なぜそれを！！！！

『ち、ちがいますよー！！！！？？』

山崎「って言いながら目が泳いでるよ。大正解でしょ？」

『うぇーーーーーーん！！大正解ですよ！！山田さん気になってる人がいるみたいなんです...。」

山崎「で、Aちゃんは敢え無く失恋ってこと？
告白はしたの？」

『いえ、私が告白する前に山田さんの気持ちを聞いてしまって...。』

山崎「本人に伝えてないの？山田多分鈍感だから気づいてないんじゃないか？まぁAちゃんもそうとう鈍感だけど。」

『私、鈍感ですか？』

山崎さんが真っ直ぐ私を見つめた。

「俺、Aちゃんのこと好きだけど、気づいてなかったでしょ？」

え？？？？

えーーーーー！？！？！？！？

大瀬、次から次へいろんなことが起こりすぎてパニックです！！！！

すみません部長！！！！

仕事が手につきませんので早退させてください！！

時刻は午後。

山田「お疲れ様でーす！！あ、森若さんお疲れ様です！この前はありがとうございました！

ってあれ？Aって今日休みっすか？」

森若「大瀬さんなら、さっき具合がよくないとのことで帰りましたよ。」

山田「本当ですか？じゃあまた来ます。」

パタンと閉まる扉。

ガラス越しの山田の後ろ姿を見ながら、

佐々木「山田さんってA先輩がいないと清々しいくらいに塩対応ですよね！」

森若「たしかに...。まぁこちらとしてはその方が静かでありがたいですが。」

佐々木「あー。A先輩がいるときは分かりやすいくらいテンション高くてうるさいですからね山田太陽。」

山田「へっくし！！！！！あれ、俺も風邪ひいたかな....？」