1.あかんすっきやねん【ＪＷ】 (ページ9)

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私たちのツアーがこれで終わった。

隣の楽屋からメンバーのはしゃぐ声が聞こえてくる。

私は一人医務室のベットに横たわっていた。

『目をつぶったら...寝れそう。』

最近忙しくて全く休んでいなかったことを思い出した。

ドラマに取材、たくさんお仕事をいただけるのはありがたいけど、

こうやって体調崩して迷惑かけるのは何か違うな...。

まどろみの中、医務室のドアが開いた。

『あれ？どしたん？打ち上げ行かないの？』

ゆっくりと近づき、私のベットに腰掛けるしげ。

重みでギシリとベットが鳴る。

重「あー今日は用事があんねん！」

と言ったまま私を見つめるしげ。

ライブの後しかもオーラスに予定入れるってあほなんか！？

『あほなん？』

重「あほはどっちや！心配かけさせやがって！！」

瞳が揺れる。

ああ....そうか。

『ごめん....。

ありがと...しげ。』

重「もっと自分大切にしろや、分かったかあほ。」

分かったよ。

しげは私に無理しすぎるなと忠告しにきたのだ。

『けど、打ち上げはいかんとあかんで？主役なんやから！』

重「...その点滴終わったら行く。」

昔から変わらない。

しげの優しさは不器用なのだ。

私たちはゆっくりと落ちていく点滴を理由に

それからしばらく一緒に居た。