1.あかんすっきやねん【ＪＷ】 (ページ39)

今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:50,996 hit

なうぇすとページ39

会場の照明が落ちファンの歓声が大きくなった。

～♪

扉が左右に開きステージが目の前に広がる。

"キャーーーー！！！"
"かっこいーー！！！"

ステージに現れた8人の中には女性のシルエットが無かった。

髪を短く切りボーイッシュな衣装を着て他のメンバーと並ぶAは、周りにも引けを取らないくらいの男前になっていた。

いつもの可愛らしい笑顔で手を振るAではなく、クールに青い衣装で踊る姿にファンたちは釘付けになった。

-MC-

"今回のライブは被り物多かったねー。"

ハットを被り直しながらちらりとしげを見た。よし、ハットのお陰で跳ねた髪の毛が隠れてる。

"ハットなー！俺ぜんぜん似合わんからな！"

そういって青いハットを被り直す重岡。

そんな重岡をにやにやしながら見つめる望。

重"なんやねん小瀧。きっしょニヤニヤすんなや。"

"これ口止めされてたんやけどなー、言っちゃおうかなー？"

望はそう言いながら私を見た。

"多分ファンの子も気づいちゃったし、時効やからええよ。"

私は両手を挙げて観念した。

"はぁー？なんなん2人して！？"

しげは訳がわからないと言った顔で私を見た。

"しげ、アイス被るまでずっーーと後頭部ぼさぼさやったで！"

望は心底嬉しそうに笑った。

他のメンバーたちも堪えきれず吹き出した。

"えー嘘やー！！！Aに本番前直してもらったで？？？"

そう言ってハットを取り、自分の後頭部の髪を触る。

望"いや、まじまじ！Aも悪いでー？本番前しげの髪跳ねてるの見つけて、俺教えよう思ったんやけど、黙っとけって言われてん！"

"のんちゃん！そこまで言うたらあかん！！"

"わー信じられへん！うそやん！！直した言うたやん自分！"
と叫ぶ重岡。

"ほんまごめん。やけど、あんとき時間なかったから仕方なかってん。"
そう言って謝るA、だが口元は笑っている。

重"お前！！笑っとるやん！！信じられへんこれDVDなるねんで！？世界中のしげちゃんファンが見るねんで？"

桐"あはは、だーいじょうぶやって！そないにいつもと変わらへんから。"

重"笑い事ちゃうからな！！俺頭跳ねたままかっこいい曲踊ってんで？ちょーエクスタシー。とか言っててんで？むっちゃダサイやん！！！"

望"俺曲中笑い耐えるの必死やってん！ダンスもちょっと間違えたわ！"

しげはあまりにもショックだったのか無表情のまま固まっていた。