1.あかんすっきやねん【ＪＷ】 (ページ14)

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01.お出かけ[赤] ページ14

仕事帰りのタクシーの中でしげからの着信。

『はい、もしもし...？』

重「あー俺だけど、今大丈夫？」

つい数時間前まで一緒に仕事をしていたから聞き慣れたはずの声。

電話越しに聞くとまるで違う人みたいに聞こえた。

『大丈夫ー。何かあったー？』

重「あんなーうちの姉貴なんやけどー。」

姉貴？あーそういうことか！

明日、私はしげのお姉さんと大阪で会う予定だったのだ。

だからこの電話はきっと...

重「明日行かれへんみたいでー。ごめんってー。」

電話越しでも分かる、しげの申し訳なさそうな声。

『ええよー。でもなんでしげが連絡くれたん？』

重「今日たまたま実家帰ったら、姉貴がインフルやからうち入るなって言われてん！」

『それは大変やったな！しげはインフル大丈夫なん？』

重「俺は大丈夫やねんけど、あいつ寝込んでるらしくって。
Aこっちくる予定やったやろ?一緒に行けんくてごめんって！！」

『あー気にせんとって！！久しぶりにひとりで大阪観光するから！』

するとしばらくの沈黙の後

重「あー....明日オフやし...駅くらいまでなら迎え行ったろか？」

『え？しげも明日休みなん？』

重「たまたまなーどーするー？」

『もし暇なんやったら一緒に行って欲しいとこあんねん！予約しちゃったから。』

実は二名で予約をしてしまったからちょっと困っていたのだ。

重「おーほなら、明日迎え行くわー。」

『ありがと助かるー！じゃあまた明日、おやすみ！」

重「おやすみー。」

...明日はしげとふたりでお出かけか。

なんでだろう、ちょっとドキドキする。

大阪駅に着いた私。

ロータリーまで歩くと見慣れた車が停まっていた。

中から手を振るしげの姿。

『迎え来てくれてありがとー！もしかして結構待った？』

と言いながら車に乗り込む。

重「いや？そんなかなー？」

と言いつつしげのことだからきっと早く来て待っててくれたんだろう。

...しげの車ええ匂いするなぁ。

ナビをセットする横顔を見つめる。

オフの時決まって彼は眼鏡とマスク。

週刊誌対策なのだそうだ。

あまり外に出たがらない彼がこうして迎えに来てくれたのはきっと。

『お姉ちゃん元気になった？？』

急に予定をキャンセルしてしまった姉の穴埋めのため。

重「まー熱はもうないみたいやな！
けど自宅謹慎中！ほんますまんなうちのあほが！！」

『ええよ！気にしないで！』