第百十一話【決断】 ページ9
「ない………!」
あの手帳がない!
さぁと全身の血の気が引いた。
飛び起きてポケットをひっくり返し、ないとわかれば大移動で荒れた部屋を隅から隅まで引っ掻き回した。
でも、見つからない。
「もしかして、落とした……?」
思い当たる場所は、ひとつだけあった。
朝、お父さんの部屋に繋がるあの廊下。グラディウスさんに捕獲された、あのいざこざの最中に落としたんじゃ……
「どうしよう………」
まだ吐き気は残ってるし、足はちょっと歩くだけですぐ縺れる。まず、出るなって言われているし。
でも、あれは………
『───別に、恐怖で支配してもよかった』
「お、お父さん!?」
何怖いこと言ってんの!?
少し歪んだバルコニーに飛び出せば、なんとドレスローザがまるで鳥かごのように細い何かに覆われていた。
え、何あれ。さっきまでなかったんだけど。
電伝虫越しの声は国中の至るところから響いてくる。
何しでかす気?今日冗談抜きでおかしいよ。
いつになく神妙な顔のお父さんは、私の混乱を他所につらつらと恐ろしいことを続ける。
挙げ句、言い出したのが、ゲームだった。
ずららと並べられた顔写真と星の数々。
ルフィさん筆頭に麦わら一味に……リク国王って、前の王様だよね?
ヴァイオレットさん!?え、でも名前は「ヴィオラ」になってる。
ローさんは確か七武海の人で、サボとキュロスって人は知らないなぁ。後知ってる人と言えば……
「………レベッカさん!?」
レベッカさんってコロシアムのお姉さんだよね!?帽子取ってくれた優しい人!なんでゲームのターゲットなんかになってるの!?
ん?リク王の孫?
………要するに、正真正銘の王女様ってこと?
「え、えええええ!!!」
よく見ればヴァイオレットさんのにも元王女ってあるじゃん!!まじ、うそ、ほんと!?
つまり、私はずっと本物の王女様に世話され続けてたってことか?何それ。すごく複雑な心境です。
しかも王族なのに海賊してたとか、完全に訳アリ。通りでご飯の時とか幹部と距離感があったわけだ。
半ば現実逃避のようにそんなこと考えてたら、『皆殺しにしろ!』ととんでもなく物騒なことを言い残して通信が止まる。
直後、ドレスローザ全土で悲鳴と銃声が響き、建物が崩壊し、至る所で硝煙が上がり始めた。
その光景は、まるで戦争だ。
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本の虫(プロフ) - ぴのさん» ご指摘ありがとうございます!!またやらかしましたね!!ごめんなさい!!トーテムポールの親戚だと思います。本当にごめんなさい…… (2019年10月30日 18時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 取り調べ報告書のキャラの名前が違いますよ。トーレ厶ボールって誰ですかwww面白くて吹いたw (2019年10月30日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - この物語ほんっっっとうに面白くて大好きです!!これからも応援してますので更新頑張ってください(o^∀^o) (2019年10月20日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 暇人で眠人さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。完全に素で間違えていました……。キャラの名前を間違えるというファンにあるまじき失態……過去の自分を殴りたいです…… (2019年10月18日 23時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
暇人で眠人 - 作者さん!セッショウの所!イッショウですよ!間違ってたらすいません! (2019年10月18日 21時) (レス) id: a9a348183f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:本の虫 | 作成日時:2019年5月1日 9時