それは貴方も知っているでしょう ページ6
カッカッとブーツを響かせながらこちらに迫ってくる男の名前を私は思わず叫んだ。
「グラディウス！」
「やはり裏切っていたかヴァイオレット！」
「おい！あの黒いやつも敵なのか！」
「戦ってはダメ麦わら！あの男は極めて面倒な能力を持っている！」
大きく膨らんだ腕の末路など何度も見てきた。全身に鋭い金属の破片が突き刺されば、例え麦わらでも命が危ない。
兵隊さんを小脇に抱える麦わらの肩を押して先に進もうとすれば、グラディウスはスピードを上げて迫ってきた。
「裏切りなど極刑に値するぞ！」
「裏切りですって？この十年間で心が休んだ日なんて一日もなかったわ！」
そうだ。父の命の為と私の持つ全てを裏切ってドフラミンゴに仕えた日々は正しく地獄だった。
父の、姪の、姉の、彼らの苦悩なんて想像もつかない。
そんな彼らの苦しみの上でゲラゲラ笑うファミリー達にどうして心が許せようか？
「私がこの王宮で心を許したのはあの子……Aだけよ！！」
「ッ、！」
あの子の名前を出した途端、グラディウスの目頭にシワがぎゅっと寄せられたのがわかった。
「私は今でも、なんで彼女がこんな所にいるのか理解できないわ。あんなに優しくて、純粋で、他人の幸せを喜べるあの子はここの誰よりも美しくて強い子よ！！」
「ヴィオラ……」
「っ、黙れ！」
「あの子を自由にするためにも、私はドフラミンゴを倒すわ！！」
「口を慎めヴァイオレット！！」
鋼鉄製の帽子が大きく膨らんで破裂した。
四方に散らばる破片が一つ、私の肩に食い込んだ。
「くっ……！」
「おい大丈夫か！？」
激痛でよろけた身体を麦わらが慌てて受け止めてくれた。
「ルフィくん！ここから早く退散しよう！」
「おう！！取り敢えず上に行けりゃいいんだろ！」
兵隊さんの指示通り、王宮のプールがある庭園へ駆け出す。
「待て！」グラディウスの怒号がジンジン痛む傷口に染みて、全身から冷や汗が滲み出た。
「………ヴィオラ」
「兵隊さん、あの子はね、Aは本当に、いい子、なの、よ……」
「………ああ。私も知っているとも。私も何度も彼女に救われた」
ブリキの顔には表情は浮かんでいない。が、その声色はこの状況に不釣り合いなほど穏やかだった。
「……そう、なのね。私もよ」
きらきらと煌めくように笑う彼女に何度も私は救われてきた。
だから、私はあの子の為にも戦って、あの子に本当の自由を与えるのだ。
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本の虫(プロフ) - ぴのさん» ご指摘ありがとうございます！！またやらかしましたね！！ごめんなさい！！トーテムポールの親戚だと思います。本当にごめんなさい…… (2019年10月30日 18時) (
レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 取り調べ報告書のキャラの名前が違いますよ。トーレ厶ボールって誰ですかwww面白くて吹いたw (2019年10月30日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - この物語ほんっっっとうに面白くて大好きです！！これからも応援してますので更新頑張ってください(o^∀^o) (2019年10月20日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 暇人で眠人さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。完全に素で間違えていました……。キャラの名前を間違えるというファンにあるまじき失態……過去の自分を殴りたいです…… (2019年10月18日 23時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
暇人で眠人 - 作者さん！セッショウの所！イッショウですよ！間違ってたらすいません！ (2019年10月18日 21時) (レス) id: a9a348183f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本の虫 | 作成日時：2019年5月1日 9時
