無彩色の空 ページ49
新世界のとある酒場。
店内は薄暗く、小汚ない酔っぱらい達が酒をあおりながら下品な笑い声が響く。耳障りな騒音に眉をひそめるも、黙ってグラスを傾ける。
カウンター席で一人飲んでいるのが目立ったのか、鬱陶しいぐらい口髭が生えた船乗りがおれの隣に座って話し掛けてきた。
「よう兄ちゃん！一人酒か？」
「……見ればわかるだろうが」
「どうした？女にでも振られたか？落ち込むなって！お前さん顔はいいからすぐ新しい女が出来るって！」
でたらめな虚言に自分で笑っているのは心底うざったいが、あまり騒動は起こしたくない。舌打ちだけして再びグラスに口付ける。
「兄ちゃんどっから来た？」
「……北からだ。仕事でね」
「北ぁ？……つーことはドレスローザに寄ってきたのか？」
出てきた国名に一瞬だけ手が止まった。おれの様子に気付かない男は一人うんうんと頷いた。
「あんの事件はびっくりしたよなぁ。まさかあのドフラミンゴが捕まる日が来るたァ思ってなかったぜ」
「あああれか！大変なことになっちまったよなぁ。ドンキホーテファミリーと商売してた連中も多かったろうに」
「世界の均衡が崩れるぜ。おー怖い怖い」
「麦わらも復活して早々やらかすよな。頭イカれてるぜ」
いつの間にか店全体が一週間前に起きたドレスローザの騒動のことで持ちきりになった。根も葉もない噂が飛び交い、意味のない見栄や虚勢が店のあちこちから発せられる。
そして、誰かの口からドフラミンゴが元々は天竜人だという情報が出ると、会話に熱が籠った。
「ど、ドフラミンゴって天竜人だったのか！？」
「何十年か前に天竜人から降りたけどな。当時すごかったぞ。何せ逆らっても問題ない唯一天竜人だったからな」
「はぇー……通りであんなに出世するわけだ」
「よっしゃあ！！天竜人の血が一つ減った！ざまぁないってんだ！散々人のことを見下しやがって！！」
一人の男が歓声を上げてジョッキを勢いよく掲げる。左手はない。恐らく、過去にそういうことがあったのだろう。興味は毛頭ないが。
「(ここにいても、なんの意味もねェな)」
そう判断して、空になったグラスをカウンターに置いたときだった。
隣にいた男が、ふと気になったように呟いた。
「血が途切れたって……ドフラミンゴの子どもはいないのか？」
呼吸が止まった。
男の些細な疑問に、腕のない男は大笑いして一蹴した。
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本の虫(プロフ) - ぴのさん» ご指摘ありがとうございます！！またやらかしましたね！！ごめんなさい！！トーテムポールの親戚だと思います。本当にごめんなさい…… (2019年10月30日 18時) (
レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 取り調べ報告書のキャラの名前が違いますよ。トーレ厶ボールって誰ですかwww面白くて吹いたw (2019年10月30日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - この物語ほんっっっとうに面白くて大好きです！！これからも応援してますので更新頑張ってください(o^∀^o) (2019年10月20日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 暇人で眠人さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。完全に素で間違えていました……。キャラの名前を間違えるというファンにあるまじき失態……過去の自分を殴りたいです…… (2019年10月18日 23時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
暇人で眠人 - 作者さん！セッショウの所！イッショウですよ！間違ってたらすいません！ (2019年10月18日 21時) (レス) id: a9a348183f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本の虫 | 作成日時：2019年5月1日 9時
