未来は誰の手に３ ページ48
「………君は死ぬほど悩むだろうけど、どんな決断をしようともあまり変わらないと思うよ」
「それはどういう……」
「それを読めばわかるさ。……全く、僕は今でも彼女がドフラミンゴの血を引いてるとは信じられないよ。きっと、母親の教育が素晴らしかったんだろうね」
そう言い締めて、バタンとドアが閉まった。
少しポカンとするも、最後に彼が見せたスーパースターと自称するには少し情けない表情にに、思わずクスクス笑みが溢れた。
「………そうね、あの子はあの子だもの」
庶民から王女になっても、優しい心を忘れなかったのだ。
それに、彼女は十分頑張ってくれた。
「私にも、あの子の未来は決められないわ」
裏表紙に書かれた彼女の本名をゆっくりなぞって、パタンととじる。
その瞬間、一枚の写真がひらりと滑り落ちた。
「あら………？誰かしら」
セピア色に変色した古い写真。
視線がカメラに向けられていないが、メイド服を着た女性はとても美しい容姿をしている。
でも、その瞳に光はなく、どんよりと闇より深く沈んでいた。
「Aの関係者だとは思うけど……」
気になるもののここで考えても仕方ない。明日のことでレベッカに会わないと。
写真を手帳にしっかり挟んで、私もお仕置き部屋を後にする。
王宮を歩けば、復旧工事を手伝ってくれている国民たちが笑顔を向けてくれた。数日前じゃ考えられない光景だ。
「(お父様の即位に、レヴェリーの参加表明。あとキュロスお義兄さまの噂もあるわ。……しばらくゆっくり出来なさそうね)」
やらなきゃいけないことが山積みだ。でも、それが不思議と嫌にならない自分がいる。
愛する家族のため、国のために尽くせる幸福。
そんな幸せが彼女の不幸に繋がらないことを、無力な私は祈ることしか出来ない。
「…………」
手元の手帳に視線を落とす。
キャベンディッシュは、これを読めばわかると言っていた。
「……ちょっとぐらいならいいかしら」
実は前々から中身が気になっていたのは事実だった。
内容を誰かに言い触らすつもりは全くないし、ちょっと数ページ読むぐらい……
「あー！！やめてくださいやめてください！！」と必死な顔をして止めてくるAに心で謝罪してから、恐る恐る表紙を開き……
………気付けば最後のページを捲っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 546人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
本の虫(プロフ) - ぴのさん» ご指摘ありがとうございます！！またやらかしましたね！！ごめんなさい！！トーテムポールの親戚だと思います。本当にごめんなさい…… (2019年10月30日 18時) (
レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 取り調べ報告書のキャラの名前が違いますよ。トーレ厶ボールって誰ですかwww面白くて吹いたw (2019年10月30日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - この物語ほんっっっとうに面白くて大好きです！！これからも応援してますので更新頑張ってください(o^∀^o) (2019年10月20日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 暇人で眠人さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。完全に素で間違えていました……。キャラの名前を間違えるというファンにあるまじき失態……過去の自分を殴りたいです…… (2019年10月18日 23時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
暇人で眠人 - 作者さん！セッショウの所！イッショウですよ！間違ってたらすいません！ (2019年10月18日 21時) (レス) id: a9a348183f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：本の虫 | 作成日時：2019年5月1日 9時
