未来は誰の手に２ ページ47
「……本題に戻るが、君に渡したい物がある。彼女を匿ったとき、勝手ながら拝借させて貰ったものだ」
そう言って手渡されたのは、彼女の手帳だった。
「内容は……その、すまない。抵抗不可避だった」
「乙女の日記を見るなんて、貴方そんな趣味が……」
「違う！僕がこれを預かったのは裏表紙のそれのせいだ！」
「裏表紙？」
軽い気持ちで裏表紙を捲った。
──ドンキホーテ・A
あの子の本名。
ドフラミンゴの血を裏付ける決定的な証拠が、美しい筆跡で記されていた。
「────」
言葉が、出なかった。
「……海軍に引き渡した僕が言えることじゃないけど、その手帳が海軍の手に渡る意味がわからないほど僕は愚かじゃない」
「………あのこは、貴方がこれを、持ってることは？」
「知らない。勿論君に渡したこともね」
「…………」
そこまで大きくない筈の手帳が、まるで鉛のように重い。
憎くて仕方ない宿敵の名前と愛しいあの子の名前が並んでいる。
私は今、どんな表情をしているのだろうか。
「ドフラミンゴは捕まった。奴のファミリーは崩壊し、七武海の一角は完全に崩壊した。裏社会の秩序と共にね。
でも、彼女は？大犯罪人の子どもとして一生負の十字架を背負わされるか、一般人としての新たな人生を踏み出すのか。今がその瀬戸際だろう」
「…………」
「正直彼女のことは全然知らないけど、僕だって恩を報いるぐらいの仁義はあるさ」
キャベンディッシュの青い瞳が、真っ直ぐ私を見た。
「これは、ドフラミンゴの呪縛だ。………君が、決めるんだ」
捨てれば彼女はただの「A」。でも、これが残る限り彼女は「ドンキホーテ」。天竜人で七武海の血筋。
彼女の将来が、私の手に委ねられている。
「………確かに受け取ったわ。それに、彼女を護ってくれてありがとう」
「礼はいらない。僕が勝手にしたことだからね。言うまでもないが美しくそして紳士的に匿ったぞ。多少肌に触れることはあったがそれは怪我人相手に最低限の必要不可欠な対応だ！そこは勘違いしないでくれたまえ！」
「はぁ」
「では僕はこの辺で。スキャンダルも恐ろしいけど、王族と海賊が長時間密室で二人きりというのもよくないだろうしね」
弁解するように急に強くなった口調に僅かに引きつつも、部屋から出ていこうとするキャベンディッシュの後ろ姿を眺める。
ドアノブに手を掛けたところで、キャベンディッシュはわざとらしく咳払いした。
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本の虫(プロフ) - ぴのさん» ご指摘ありがとうございます！！またやらかしましたね！！ごめんなさい！！トーテムポールの親戚だと思います。本当にごめんなさい…… (2019年10月30日 18時) (
レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 取り調べ報告書のキャラの名前が違いますよ。トーレ厶ボールって誰ですかwww面白くて吹いたw (2019年10月30日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - この物語ほんっっっとうに面白くて大好きです！！これからも応援してますので更新頑張ってください(o^∀^o) (2019年10月20日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 暇人で眠人さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。完全に素で間違えていました……。キャラの名前を間違えるというファンにあるまじき失態……過去の自分を殴りたいです…… (2019年10月18日 23時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
暇人で眠人 - 作者さん！セッショウの所！イッショウですよ！間違ってたらすいません！ (2019年10月18日 21時) (レス) id: a9a348183f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本の虫 | 作成日時：2019年5月1日 9時
