未来は誰の手に ページ46
「待ちたまえそこの君！」
後ろからそんな声が聞こえ、反射的に足を止めて振り返る。
一番に見えたのは豊かな金色の髪。
すれ違う乙女が恍惚と倒れていくのを見向きもしないで私へと真っ直ぐ歩いてきたのは、海賊キャベンディッシュだった。
「私かしら？」
「ああ。ずっと君を探していた。………Aという少女について話がある」
彼の形のいい口から出てきた名前に、どくんと心臓が跳ねた。
その名前こそ、ついさっきまで私の頭を支配していた女の子の名前だった。
ドフラミンゴが倒され王宮が解放されてすぐ、急いでAの部屋に向かったが、そこにいる筈の彼女の姿がなかった。
慌てて能力を駆使したところ海軍の軍艦にいるのがわかり、さっき海軍に彼女との面会を願い出たところだった。
でも何故、彼が彼女のことを知っているのか。
キャベンディッシュは自分達が注目を集めていると気付くと、気まずそうにコホンと咳払いした。
「すまない。僕に注目が集まるのは仕方のないことだが、今は少々都合が悪い。場所を変えよう」
「……そうね。私もゆっくり話がしたいわ」
＊＊＊
その後彼を案内したのは、マンシェリーが閉じ込められていた礼拝堂のお仕置き部屋だった。
「ここなら滅多に人が来ないし、音も漏れないわ」
「そうか、それは安心だ」
「……それで、なんで貴方が彼女のことを知ってるの？」
「そうだな。話すと長くなるんだが──」
そう言って彼が語り出した内容に、私は目眩がした。
お花畑で銃弾をAに庇われたこと。
そのまま意識を失った彼女をトラファルガーが治療し、彼女を任されたこと。
その後彼女を匿い、海兵に発見される形で海軍に彼女を保護させたこと。
敢えて淡々と話す彼に、ふるふると私の拳が震えた。
「自分の油断で女性に、ましてやまだ歳いかない少女に怪我を負わせたことは紳士の名折れだ。今だけはどんな罵詈雑言も黙って聞き入れよう」
「………いいえ、私にはそんな資格はないわ」
そうだ。私だって彼女を見捨てた。
麦わらにあんなに頼み込んだのに、あの混乱中一回も彼女のことを見ていない。彼女なら大丈夫だろうと、根拠のない自信でそう思い込んで。
『大丈夫！？もう怖いことは終わったわ！』
そうあの子の部屋に飛び込んだとき真っ先に目に写ったのは、王族しか知らない脱出用の螺旋階段。彼女の姿は、なかった。
一瞬で全身の血の気が引いたあの感覚を、今も忘れられない。
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本の虫(プロフ) - ぴのさん» ご指摘ありがとうございます！！またやらかしましたね！！ごめんなさい！！トーテムポールの親戚だと思います。本当にごめんなさい…… (2019年10月30日 18時) (
レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 取り調べ報告書のキャラの名前が違いますよ。トーレ厶ボールって誰ですかwww面白くて吹いたw (2019年10月30日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - この物語ほんっっっとうに面白くて大好きです！！これからも応援してますので更新頑張ってください(o^∀^o) (2019年10月20日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 暇人で眠人さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。完全に素で間違えていました……。キャラの名前を間違えるというファンにあるまじき失態……過去の自分を殴りたいです…… (2019年10月18日 23時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
暇人で眠人 - 作者さん！セッショウの所！イッショウですよ！間違ってたらすいません！ (2019年10月18日 21時) (レス) id: a9a348183f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本の虫 | 作成日時：2019年5月1日 9時
