第百八話【疑惑2】 ページ5
「っ!?、ゴホッ、ゴホッ!」
驚きで、あまり噛めてないワッフルが喉に止まった。慌てて水を流し込む。
「あー死ぬかと思った……」
何があったんだろう。やっぱり反乱かな?「無駄に混乱させんなコノヤロー!」みたいな人もいないとは言い切れないし。
バルコニーから見える城壁のしたっぱさんは蜘蛛の子が散ったように右往左往してる。
部屋の入り口に忍び足で近づき、ピタリとドアに貼り付いて耳を澄ました。
「おいどういうことだ!?さっきの爆音はなんだったんだ!?」
「おれも知るわけないだろ!朝からずっとここで立ちっぱだよ!!」
「おれもだよ!あー腹へったー!」
部屋の見張りらしきしたっぱさんの悲痛な叫びが聞こえる。
その節は本当にすいません……ご飯も食べてないのね……
「おいお前ら!麦わらが城に侵入したぞ!」
忙しない足音の後、聞こえた名前に思わず耳を疑った。
……え、麦わら?麦わらってルフィさんのこと?
そんな、どうしてドレスローザに。ここは七武海の治める国なのに。
「な、なんだってー!?」
「麦わらって、今コロシアムにいるんじゃ……」
「でも現に今もで暴れてる!しかもヴァイオレット様が裏切りやがった!」
ヴァイオレットさんが裏切った?え、どういうこと?ルフィさんは本当にいるの?ヴァイオレットさんは敵なの?
訳がわからない。話を聞けば聞くほど頭が混乱してくる。
「とにかくお前らも来い!おもちゃの家の入り口で麦わらの仲間とセニョールの旦那が、リフトであの雷兵とラオG様がバトルってんだよ!」
「はあ!?なんでおもちゃが反乱してんだよ!おれたちの言うこと聞くんじゃねーのか!?」
「でもおれ達ここの見張りが……」
「バカ!!スマイルぶっ壊されたら一巻の終わりだぞ!」
バタバタと慌ただしい複数人の足音が遠ざかると、ドアの向こう側の人の気配は消えていた。
「どういう、こと?」
握り締める手のひらにじわりと汗が滲む。口に溜まった唾を無意識に飲んだ。
たった数分の会話なのに手に入った情報が多すぎてパンクしそうだ。
ルフィさん、ヴァイオレットさん、それに……
「なんで兵隊さんまで……」
したっぱさんの口振りだと、明らかな敵意を持って王宮に侵入している。国王への反逆なんてお尋ね者のレベルじゃない。極刑に値する。
あんなに優しくて紳士な兵隊さんが、どうして?
あの微笑みの裏に何が隠されていたんだろう?
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本の虫(プロフ) - ぴのさん» ご指摘ありがとうございます!!またやらかしましたね!!ごめんなさい!!トーテムポールの親戚だと思います。本当にごめんなさい…… (2019年10月30日 18時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 取り調べ報告書のキャラの名前が違いますよ。トーレ厶ボールって誰ですかwww面白くて吹いたw (2019年10月30日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - この物語ほんっっっとうに面白くて大好きです!!これからも応援してますので更新頑張ってください(o^∀^o) (2019年10月20日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 暇人で眠人さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。完全に素で間違えていました……。キャラの名前を間違えるというファンにあるまじき失態……過去の自分を殴りたいです…… (2019年10月18日 23時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
暇人で眠人 - 作者さん!セッショウの所!イッショウですよ!間違ってたらすいません! (2019年10月18日 21時) (レス) id: a9a348183f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:本の虫 | 作成日時:2019年5月1日 9時