第百二十六話【銃弾】 ページ31
「っ！？」
殺気は背後の王宮からだった。
どこもかしこもボロボロで、なんとか立っている塔の窓から、長い棒が飛び出している。
いや違う。あれは、ライフルだ。
黒い砲筒が私の頭上を通り越して、お花ばたけの端に真っ直ぐ向けられている。
「ま、まさか……」
精一杯背伸びすると、お花ばたけの端は崖になっててそこだけ花が咲いていなかった。
そして、王宮に背を向けるように座っている二つの人影。
その背中にライフルの先がピタリと向けられていると気付いた瞬間、体が動いていた。
「(そうだった！そうだった！)」
無意識のうちに、このルフィさんたちの襲撃に怒っているのはお父さん達幹部だけで、したっぱさんは渋々付き合ってるだけかと思ってた。
でも違う。あんな変なコート着ててもお父さんのカリスマ性は本物。したっぱさんでも、本気でお父さんに忠誠を誓っている人だっているはずだ。
あそこにいる二人がどんな人かはわからないけど、王宮の足元まで来れた人達だ。相当の実力者なのは違いない。
そんな彼らを殺せたら、お父さんへの忠誠心を示せるし、そうでなくても大きな手柄になるだろう。
何より、あの混じり気のない殺気が何よりの証明だった。
ぎゅるぎゅると頭の中で色んな思いが巡る。
(なんで走ってる？)(撃たれちゃう)(止まれ)(これからどうしよう)(自分から首を突っ込むな)(怖い)(あの人たちは気付いてる？)(足が痛い)(自分が死んだら？)(血の匂い)(死にたくない)(「運命に抗えよ」)(花の香り)(胸が苦しい)(まだ気付かない)(狙いが定まった)(でも)(私は)
もう、いやだ。
辛いことは、苦しいことは、もう、終わりにしようよ。
「────危ない！！」
ひまわりの群集から飛び出した瞬間、空気を切り裂くような音が響いて、直後肩に激痛が走った。
真っ赤な血飛沫が飛び散る。奥歯を噛み締めて涙を堪えると、渾身の力を込めて、王宮へと覇王色を放った。
ビリっとその場の空気が震える。スナイパーが倒れたと感覚的にわかった。
ゆらりと揺れた私を、この一瞬で剣を抜いた金髪のお兄さんと黒髪の人が心底動揺したように見つめている。
瞳に写る動揺に、ああやっぱり驚くよなぁと何故か笑みが浮かんだ。
薄れていく視界。頬をかするドレスローザの風が、こんな状況なのに心地いいと感じた。
意識を飛ばす直前、最後に感じたのは、地面に倒れ込む寸前に私を受け止めた人の体温だった。
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本の虫(プロフ) - ぴのさん» ご指摘ありがとうございます！！またやらかしましたね！！ごめんなさい！！トーテムポールの親戚だと思います。本当にごめんなさい…… (2019年10月30日 18時) (
レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 取り調べ報告書のキャラの名前が違いますよ。トーレ厶ボールって誰ですかwww面白くて吹いたw (2019年10月30日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ひなな(プロフ) - この物語ほんっっっとうに面白くて大好きです！！これからも応援してますので更新頑張ってください(o^∀^o) (2019年10月20日 13時) (レス) id: 7b6c2dd18e (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 暇人で眠人さん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。完全に素で間違えていました……。キャラの名前を間違えるというファンにあるまじき失態……過去の自分を殴りたいです…… (2019年10月18日 23時) (レス) id: 37015c2fbe (このIDを非表示/違反報告)
暇人で眠人 - 作者さん！セッショウの所！イッショウですよ！間違ってたらすいません！ (2019年10月18日 21時) (レス) id: a9a348183f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本の虫 | 作成日時：2019年5月1日 9時
