ウサギなご主人

噂をすれば… ページ9

ダイニングに着くと、いつもならこの時間はお帰りになられてない旦那様と奥様が、今日は珍しく先にお席に着かれていた。







「あれ、父さんと母さんなんでいんの」

「おーグク来たか、座れ座れ」

「？うん」






私は旦那様と奥様にお辞儀をし、なぜこの二人がいるのかと不思議そうに座る坊ちゃまにお夕食をお出しして、そのまま斜め後ろに立つ。


相変わらず優しく朗らかな雰囲気が漂うお二方。

なぜこのお二方からこんな人が生まれたのかがいつも不思議に思う。

あ、別に悪口では…ない、ですよ。






「実はね、グク。あなたの許嫁のテヨンさんがいらっしゃるでしょう？あの子が今度うちにご挨拶に来て下さってから、何日か滞在するんですって！いい？将来の妻になる方なんだから粗相のないようにね！」

「…は？え、ちょっと待って滞在？それってうちに泊まるってこと？」

「そうだぞ。私たちは仕事があってその間家には帰れないんだから、しっかりな」

「は！？無理、だから俺アイツ苦手だって前も言ったじゃん！」







身を乗り出して反対する坊ちゃま。

…そんなに嫌なのか。







「まあそう照れるな。なにかあればAさんもいるわけだしな、大丈夫だろう」

「はい、精一杯お役は務めさせていただきます」






坊ちゃまの言うことは全く耳に入っていないご様子ではっはっはと笑う旦那様。

その隣で奥様もふふふっと微笑まれているが、当本人は納得いっていない様子。







「噂をすればなんとやら…って言いますよね」







と後ろから呟いてみると、坊ちゃまに睨まれた。









なんでそこまで嫌がるのかわからないけど、

……ふふふ、ジョングク様ドンマイ。

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