ニンジン ページ2
坊ちゃまのご支度が終わると、朝食をお出しする。
「……ジョングク様」
「んー」
「朝食はしっかりと食べてください」
「食べてるし」
「…じゃあそのお皿の上の端っこに寄せられているオレンジのものはなんですか」
「……豚の餌？」
「全国のニンジン農家さんに頭下げて回ってください」
そう、坊ちゃまはうさぎなのに(？)ニンジンを至極嫌うのだ。
私にはそれが不思議でならない。
「だってまずいし。なんで口の中まで根！！って感じを出してくるわけ。コイツ自己主張激しすぎ」
「知りませんよそんなの、ジョングク様の味覚の問題でしょう。ほら、食べてください。早くしないと遅刻になります、よろしいのですか」
「えー…じゃあAが食べさせてくれたら食べる」
「あなた一体何歳ですか」
「17歳でーす」
「…少しはプライドというものを持ち合わせていただきたいのですが」
「んなことどうでもいいからさ、早く。俺を遅刻させたいの？」
あーん、と目は閉じて口だけ開ける坊ちゃま。
その口は半月型だ。
…にやけているのがすぐわかる、というか隠そうともしていない。
「早くー、あー」
「……もう、次はちゃんとご自分で食べてくださいね」
「わかったー」
置いてあったフォークに、ニンジンをブスッと刺して坊ちゃまの口元までもっていくと、
あむ、と口に含んだ。
一瞬その形のいい唇が弧を描いたものの、うえぇという声とともにすぐに崩れる。
…少し気分が良い。
「…笑ったね」
「……いえ別に…ふふ」
「笑ってんじゃん」
「いいえ？…あ、ほら早くカバンを持ってください。運転手が待ってるんですから」
「……あー、ネクタイがよれてるなーどうしようー(棒読み)」
「遅刻しますよ(無視)」
「……使用人失格だな」
「何か？」
「別にー」
ぶつぶつと文句を言う坊ちゃまを玄関でお見送り。
はいはいと適当に返事しながら背中を押す。
「いってらっしゃいませジョングク様」
「じゃあいってきますのキ……わ、わかったってネクタイ引っ張……」
「…チョン家のご子息がだらしない格好でどうしますか」
きゅっとネクタイを締めて、外を向かせる。
「では改めて、いってらっしゃいませ」
斜め45度の礼をすると、坊ちゃまはまたも
ん、とだけ小さくつぶやいて出て行かれた。
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もるもる(プロフ) - マテさん» はじまして！いつも読んでいただけてるなんて嬉しいですー！(´∀`*)ユンギ先生、了解しました！今のところどっちの選択肢も希望してくれてる方がそれぞれいらっしゃるので、同時進行になりそうです…。更新はこの作品よりも遅くなるかもしれませんがご了承ください…！ (2016年6月21日 22時) (
レス) id: f5d697a81a (このIDを非表示/違反報告)
マテ(プロフ) - はじめまして！いつも読ませてもらってます(^^) ユンギ先生のお話読みたいです！ これからもがんばってください！ (2016年6月21日 0時) (レス) id: 698b8f238e (このIDを非表示/違反報告)
もるもる(プロフ) - リリさん» ご意見ありがとうございます(*^-^*)なんとかテヒョンが報われるようにしたいと思います！笑 予想していたのと違ったらすいません…！ (2016年6月20日 17時) (レス) id: f5d697a81a (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - テヒョンのお願いしたいです！ (2016年6月20日 9時) (レス) id: 72d18dc23c (このIDを非表示/違反報告)
もるもる(プロフ) - ててべくさん» うわーありがとうございます(*/ω＼*)待っていただけて嬉しいですーー！！！ もっと更新早くなるように頑張りますね！！ (2016年6月18日 19時) (レス) id: f5d697a81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もるもる x他2人 | 作成日時：2016年2月22日 17時
