嫌いな公園 ページ6
「ねえちゃ〜ん!はやく!!」
「わかってるって」
チョンロとチソンが十字路を曲がった瞬間走り出した。公園があるのだ。様々な種類の遊具がある公園で二人のお気に入りだ。この辺りは治安が悪いので遊ばせられる場所はここぐらいしかない
しばらく二人が遊んでいるのを見ていると公園の入り口で誰かが私に大きく手をふった。手には小さなカメラがある。どうやらジェミンみたいだ
「よっ」
「なにしてんの」
「遊んでんのを見守ってんの。ジェミンは?」
「ねえちゃんにLINEしたけど既読が付かなかったから探してた」
「そんなに会いたかったのか」
「うん」
冗談で言ったのに真面目に返されたからなんだか照れくさい
ジェミンとはこの前学校で会った。手にはいつもおもちゃみたいなカメラを持っていてにっこり笑ってる
「座んないの?」
ジェミンが私を見ながら首をかしげる。私はベンチの横に立っていた
「うん」
ここは昔を思い出す
「ヤンヤンとねえちゃんってさ、いつから知り合いなの?」
「なんだよいきなり」
「だってヤンヤンいつも言ってる。ねえちゃん、ねえちゃんって」
「いつだったけな」
雨が降って暗くなってもう何も見えないのにランドセルを放り投げた小さいヤンヤンは闇の中で何かを探していた
「ヤンヤンも私もまだ小学生だったときかな、彼奴が5年生で私は6年生」
この公園で出会ったんだよ
「ねえちゃん」
いつの間にかチョンロとチソンが側に来て私の袖をくいと引っ張った。これはこしょこしょ話の合図だ。しゃがんでチョンロの顔に耳を近付ける
「誰、この人」
そうか、二人はまだあったことなかったか。人見知りのチソンはチョンロの後ろで小さくなってる
「ジェミン、ねえちゃんの新しい友達」
「はじめまして」
「じぇみん?」
「そう、ジェミン」
チョンロが必死に質問攻めしている。きっと後ろのチソンを守りたいんだろう。いつもより頼もしく見える
「じぇみんは何才?」
「17才だよ。ヒョンって呼んでね」
「じゃあ、ヤンヤンといっしょだね!!」
「…ヤンヤン?」
ヤンヤンという言葉を聞いた瞬間、表情が少しこわばった気がした
「ヤンヤンのこと、ヤンヤンって呼ぶの?」
「うん!だってヤンヤンはヤンヤンだもん」
「そっか」
ジェミンとはこの前学校で会った。手にはいつもおもちゃみたいなカメラを持っていてにっこり笑っている
「じゃあ俺も、 ジェミン でいいよ」
にっこり笑っている
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作者名：ara | 作成日時：2021年10月31日 22時
