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降谷の高そうな車が見えなくなるまで見届け、予約したホテルの部屋まで移動する。

エレベーターが開いた途端に部屋の前に佇む男が怪しげに立っているのが目に入る。

怪しながらも、素通りしようと思った。





男がいたのは私の予約した部屋だった。

少しだけ距離をとり、声をかけるとその相手はこちらを振り向いた。


「ま…松田…?!」

「A、ちょっといいか?」

「……ゴメン、忙しい」


そう言って松田を押し退けると、ドアを開け閉めた。否、閉めようとした。

だがそれは松田の出した足によって防がれてしまう。

すると無理矢理ドアを開けられ、私は後退る。


「ちょっと!!不法侵入で逮捕するよ!?」

「悪いな、俺も警察だ」


爆弾処理班だけどな…。と小さく呟いた松田。


「A、俺はあんなやつと寝ちゃいない」

「浮気する人は皆そう言うでしょ」


睨みながら冷たく言った私に松田は溜息を吐くと、私の目を真っ直ぐに見つめた。

私もその瞳に吸い込まれ、逸らせなくなってしまう。


「俺がお前以外に興味あると思うか?」

「思います」


即答すると、松田は眉を下げ悲しそうな表情をした。

だが、私はそれ以上に悲しかった。彼だけは唯一の理解者だと思ってたし、将来の事も夢に見なかった訳じゃない。


「悪かったな、A。愛してる」

「……」


愛しそうに頭を撫でる松田を見てると、無性に哀しくなってきて無理矢理追い返してドアに鍵を掛けた。

玄関であることも忘れ、そのまま床にへたりこむ。


「嘘って…言ってよ……」









「………もっと早く」

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やっち(プロフ) - 続編のパスワード教えて下さい (2023年4月4日 17時) (レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 残念です。続編が見れなくて・・・ (2020年4月13日 13時) (レス) id: 81f99139dd (このIDを非表示/違反報告)
いっちー+∧∧(プロフ) - つ、続きが読めん…だと……。ここまで読んでこれの続きが…。 (2019年7月18日 12時) (レス) id: b24672f186 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ピンクさん» どうしてパスワード制なのでしょうか?期待させて続編へ向かわせて、見れないというのはとても残酷です… (2019年5月21日 17時) (レス) id: f92c717922 (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - 期待した自分がバカでした (2019年3月28日 19時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンク | 作成日時:2019年2月5日 21時

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