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壁に背を預け、深呼吸なのか溜息なのかよく分からない息を吐く。
そして二人の元へ行こうとした時、気づけば松田が立っていて反射的に尻餅をついた。
な、何?今日は今年一番運勢悪いのでは?と思う程 運が悪く感じる。
「おい、大丈夫か?」
「急に目の前に立つからじゃん…」
「は?それはお前が…」
なんと松田が言いかけの状態にも関わらず、バットタイミングで家の鍵が開く音が響いた。
「ただいま…」
「お帰り。と、いらっしゃい?」
不機嫌そうに眉を寄せる降谷とは違い、彼の周りは賑やかだった。
主な原因は萩原。
「あ?!何で松田だけ先にいるんだよ!!?」
「うるせぇな。別にいいだろ」
「まぁまぁ…」
「お前等、黙らないと追い返すぞ」
まさに鶴の一声。その一言で周りの雑音はピタリと止んだ。
それを見て溜息を吐く哀ちゃん。だが、降谷を見るとこれでもかという程目を見開いて怯えるように私の後ろへ隠れた。
「降谷さ、小学生に何かしたの?」
「…は?」
「え〜何々?降谷ってそういう系?」
「萩原、お前そんなに痛い目みたいなら素直に言え。M野郎が。そういう系ってなんだよ」
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「「お、美味しい…」」
皆は夕飯を頬張って声を揃えた。
キッチンでは降谷がいい匂いを漂わせながらジュージューと食欲のそそられる音を鳴らせている。
既に出来上がっている料理がなくなっていく。
「どうする?お摘みも持ってくる?」
「おう、頼む」
「はーい」
私もキッチンへ行き、降谷の隣で比較的に簡単なお摘みを作りだす。
切ったり焼いたりでいいから楽と思いながらも旦那には感謝が募る。
するとチョンチョンと肩を叩かれ、振り返るとスプーンを持った降谷。
左手をお皿にして、ぐっとスプーンを寄せてくる。
「味見。どうだ?」
「ん…。あ、美味しい!」
「だろ?この前考えたんだ」
「え、考えたの?凄い…」
ポツリと本音を溢すと、ふっと頬を緩めた姿を見て少しドキッとした。
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やっち(プロフ) - 続編のパスワード教えて下さい (2023年4月4日 17時) (レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 残念です。続編が見れなくて・・・ (2020年4月13日 13時) (レス) id: 81f99139dd (このIDを非表示/違反報告)
いっちー+∧∧(プロフ) - つ、続きが読めん…だと……。ここまで読んでこれの続きが…。 (2019年7月18日 12時) (レス) id: b24672f186 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ピンクさん» どうしてパスワード制なのでしょうか?期待させて続編へ向かわせて、見れないというのはとても残酷です… (2019年5月21日 17時) (レス) id: f92c717922 (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - 期待した自分がバカでした (2019年3月28日 19時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンク | 作成日時:2019年2月5日 21時