27 ページ28
・
降谷は私の手を引いて寝室に来るが、あたかも私の前までの家のようにそこはスッカラカンだった。
「え、ベットがない？」
「あぁ…」
「はぃい？じゃあどうするの？今は真冬ですよ？」
「一応毛布くらいは持ってたが…」と言うが降谷も少し余裕が無さそうだ。
お互いに顔を見合わせ再び口論に入る。
「降谷がソファで寝てよ！！」
「いや、こういうのは男が譲るもんだろ」
「いや今は男っぽいとこ求めてないから」
「…お前何徹だ？」
「3…」
すると降谷は明らかにしまったといった顔をしてチッと舌打ちをした。
「ほら降谷の方が寝てないじゃん！！」と、夜にも関わらず大きな声を出して降谷をソファに押し付ける。
そして私が持ってたフワフワの毛布を降谷にかけて、電気を消した。
「はいお休み！」
「おい…！」
動こうとした降谷だが、電気が無いためよく見えないらしく諦めたっぽい。
私は降谷が持ってきた毛布を自分にかけ、冷たい床で横になる。
風邪を引いてほしくないがために自分の毛布を貸したが、降谷が持ってきた毛布は案外冷たく暖まりにくかった。
冷たいものにサンド状態にされているため自分が風邪を引きそうだったが、体を丸め我慢をする。
「寒っ……」
なかなか寝つけないと思っていれば、だんだん目も暗闇に慣れてきて視界がさっきより晴れた。
ふと斜め上から聞こえてくる静かな寝息に自然と頬がほころぶ。
微かな明かりの暗闇に確かに降谷がいて、安心したように眠っている。
組織の仕事が入って彼は以前より疲れた顔をするようになってしまった。
早く組織が破滅して___
いつか安心して眠れますように___
そう心の中でお願いして再び床に寝そべった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 799人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やっち(プロフ) - 続編のパスワード教えて下さい (2023年4月4日 17時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 残念です。続編が見れなくて・・・ (2020年4月13日 13時) (レス) id: 81f99139dd (このIDを非表示/違反報告)
いっちー+∧∧(プロフ) - つ、続きが読めん…だと……。ここまで読んでこれの続きが…。 (2019年7月18日 12時) (レス) id: b24672f186 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ピンクさん» どうしてパスワード制なのでしょうか？期待させて続編へ向かわせて、見れないというのはとても残酷です… (2019年5月21日 17時) (レス) id: f92c717922 (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - 期待した自分がバカでした (2019年3月28日 19時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ピンク | 作成日時：2019年2月5日 21時
