21 ページ22
・
「おい、聞いてるのか?」
「んー?聞いてない」
「言うと思った」
降谷は不機嫌そうに私の頭を殴った。
そのせいで私はダッ!と変な声を出してしまう。
「乙女になんてことすんの…」と呟けば隣でハっと鼻で笑うゴリラ。
非常にムカつくが、今はそれをグッと堪え話を戻す。
「だいたい家って結婚式の前に決めるもんじゃないの?」
「知るか。上司の命令だ」
「ずれてるね、最近の大人は」
肘をついてそう言うと「最近の大人はお前だろ」と突っ込まれる。
私は間取りの載った沢山の本を見つめ、風見に放り投げた。
1つ思ったことがあるんだけど、私ほとんど家に帰らないんだよ。
降谷も同じだったのか視線をこちらに寄越してくる。
「ホテルで良くね?」
「却下」
「私金欠なんですー」
「残念だが俺は余裕だぞ」
うそんと呟けば「キモッ…」と返される始末。コイツ本当に旦那なのかと疑う程、扱いが雑になった気がする。
BIGマネー持ってるイケメンなんてさぞおモテになるんでしょうけど。
「降谷に任せるわ。私家に興味ないし」
そう言って私は席を立ち飲み物でも買いに行った。
自販機にお金を入れ缶コーヒーを買い、自分のディスクに戻ろうとしたとき後ろから声をかけられた。
「小銭忘れてるよっ……て、Aじゃん」
「あっ萩原。ごめん」
小銭を受け取ろうと萩原に近寄ると、手を握られお金を貰う。
……普通はそれで終わりなんだけど。
「はいっ」
受け取る直前で腕を上げた萩原。
「………は?」
思わず間抜けな声が溢れた。
.
799人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やっち(プロフ) - 続編のパスワード教えて下さい (2023年4月4日 17時) (レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 残念です。続編が見れなくて・・・ (2020年4月13日 13時) (レス) id: 81f99139dd (このIDを非表示/違反報告)
いっちー+∧∧(プロフ) - つ、続きが読めん…だと……。ここまで読んでこれの続きが…。 (2019年7月18日 12時) (レス) id: b24672f186 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ピンクさん» どうしてパスワード制なのでしょうか?期待させて続編へ向かわせて、見れないというのはとても残酷です… (2019年5月21日 17時) (レス) id: f92c717922 (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - 期待した自分がバカでした (2019年3月28日 19時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピンク | 作成日時:2019年2月5日 21時