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降谷side
追いかけてきた松田の腕を、やっとの思いで掴むと勢い良く振り払われた。
すると松田は俺の胸ぐらを掴み、叫んだ。
「どういうことだよ!!」
「っ………見ての通りだ」
そう言うと松田の目は怒りを帯びて、今よりも見開いた。
その瞳からは大粒の涙がボロボロを溢れていた。
俺は松田の手を包み、自分の服から離すと今度は松田に掴みかかる。
「そんなに_______」
「そんなにAが欲しいなら俺から奪ってみろ!!」
「は?お前、何言って……」
松田は心底驚いたようで、ポカンと口を開けっぱなしにして俺をみつめた。
俺は松田の服を掴む手に力を加える。
「言っておくが籍は入れてない。この結婚は仕事だ」
「なっ……」
俺は手を、松田から自分の手首へと移動させた。
そして真剣に松田と向き合う。
「いいか。誰にもこの情報をもらすな」
「あぁ…。元から承知だ」
松田は少し間を置いて、俺をみつめるとそう言った。
まだ信じられないのだろう。きっと誰だってそうだろう。
だが松田も一応、警察。話の内容は理解できる。
今度は松田のネクタイを引っ張り、耳元で萩原に聞こえぬよう囁いた。
「お前も知ってると思うが、俺もAを想っている」
「っ?!」
「上から結婚を取り下げられようが、俺は彼女を手放す気は毛頭ない」
バッとネクタイを離すと松田は眉をつり上げ睨みを効かせてくる。
俺は口角を上げて余裕に笑ってみせる。
「さぁ、どうする?俺はお前に譲る気なんて全くない。…欲しいだろ?」
「フッ……ナメやがって。…自分で取り戻すさ。お前から奪ってやるよ」
そう言った松田の瞳は決心が着いたようだった。
萩原は訳が分からないと言いたげだったが、松田が去って行ったためそれに着いて行った。
これで借りは作った。あとはお前等次第……。上手くやれよ?
まぁ、俺も譲る気なんて無いんだが。
俺は松田と萩原に背を向け、来た道を戻って行った。
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やっち(プロフ) - 続編のパスワード教えて下さい (2023年4月4日 17時) (レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 残念です。続編が見れなくて・・・ (2020年4月13日 13時) (レス) id: 81f99139dd (このIDを非表示/違反報告)
いっちー+∧∧(プロフ) - つ、続きが読めん…だと……。ここまで読んでこれの続きが…。 (2019年7月18日 12時) (レス) id: b24672f186 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ピンクさん» どうしてパスワード制なのでしょうか?期待させて続編へ向かわせて、見れないというのはとても残酷です… (2019年5月21日 17時) (レス) id: f92c717922 (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - 期待した自分がバカでした (2019年3月28日 19時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンク | 作成日時:2019年2月5日 21時