幸せの法則-S.Ohno- (ページ48)

今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:76,826 hit

47* ページ48

ただその日は歯ブラシを見てから何もやる気は起きなくて

その代わり頭はごっちゃごちゃ

「…大野さん」

呼んでも届かない声

「…翔くん」

呼んだら駆けつけてくれる人

「はぁ…」

櫻井さんのことは好き

だってこの時間をくれるのはあの人しかいない

恋してる、ちゃんと、翔くんって呼ぶのに緊張して

あの人に朝ごはんを作るだけだって幸せで

ただ大野さんが忘れられないの

我儘だって知ってる

しかもみんなが大好きなあの人たちに

私はなんてことをしてるんだろうって自分を責めたこともあった

「…画材屋さん、行こう」

こんなときはおいでって迎えてくれるあの人たちに甘えないと

私は涙で干からびて死んじゃうんだろう

もうすでに夕陽が沈もうとしている

今日は寄り道しよう

あの猫と合った、あの人と出会ったときの道を歩こう

上を向いて歩いたら涙は落ちない

スマホは置いたまま、お財布も持ってないから軽いな、自分

「～♪、」

この曲好きだなぁ、なんていうんだっけ、歌詞

いつも忘れちゃうんだ