幸せの法則-S.Ohno- (ページ42)

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起きたてホヤホヤ～って見てわかる

智「どったの？」

呂律があんま回っていないのもかわいらしくて

とくとくとなる私の胸

「これ、落ちてて、ちょっと壊れてて、直したんです」

智「ぁ…これ、」

「大切なもの、なんですよね？」

泣きそうな顔をして微笑むのはもうやめてって言いたい

こんなに苦しむことないのに

「大野さん？」

大野さんはただそれを見つめるだけで受け取らない

智「それ、あげる」

「え？」

智「もう、それいらないから、売ってもいいし、つけてもいいよ」

なんでそんなこと言うの？

そんな悲しいこと言わないで

私はあなたが好きなのに

忘れられない人がいるあなたに恋をして辛いのに

「大野さん…っ、の、バカ…っ、」

逃げる気力もない私は泣いてその場に座り込んだ

智「、…ひどい男だって、わかったでしょ？」

「…、っ」

智「…、ごめん」

ぱたんと閉じた扉に

地べたは冷たく濡れて昼過ぎの時間は流れていった