幸せの法則-S.Ohno- (ページ39)

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空色の絵の具にぽたって水が落ちて

また世界が滲む

智「泣いてるの？」

「…っ、へへっ、」

智「辛いこと思い出しちゃった？」

そう言って私の背中をぽんぽんと赤ちゃんをあやすようにする

「辛くないです…っ、今、すっごい、幸せなんです」

泣くのは辛いためだけにあるんじゃないんだよ

嬉しいときも泣くんだよ

「大野さん、っ、私、幸せです…ぅう」

智「…そっか、よかった、おいらもそう言ってもらえて嬉しい」

ふにゃりと笑った笑顔は私の頬の涙を優しく拭う

智「辛いときは、言ってね」

「、？、…なんで？」

智「んー？、俺と似て、助けたくなるから」

それは恋人じゃなくて

でも君を守るって言ってくれているんだ

「大野さん、私、今辛いよ…」

ちっちゃな声で言った

その声は大野さんには聞こえなかったみたい

智「ん？」

「ううん、なんでもないです！これ、大切にします！」

きっと私が笑えば貴方も笑うんでしょう？

だって大野さん曰く大野さんと私は似た者同士なんだから