幸せの法則-S.Ohno- (ページ38)

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仕事のためにやって来た大野さんはペラっと絵を置いた

智「これでいい？」

「うわ！素敵！色、すぐ塗りますね」

素敵すぎて色が溢れる

急いで水彩を取り出して色を選んでいく

智「あ、この色」

「ふふ、この色大好きなんです」

智「やっぱ似てるねー笑」

その一言でさっきのことを思い出す

ああダメダメ、頑張れ自分

「空色、絶対使おうって思ったんです」

おしゃべりをしながら色をつけていく

楽しくて夕方にはもうできていた

智「うおー、すげぇ、いーね、これおいら好き」

「やったぁ、あー楽しかった」

この気持ちはちょっとしか使わなかった桃色に託そう

好きだって言えないからこの絵の色に託すんだ

智「んふふ、チュウさんに早く見せたいね」

「はい」

これがまたCDジャケットになるんだ

5人が楽しそうにこの絵を見て

この絵の前に立ってかっこいいポーズとるんだよね

智「Aちゃん？」

「あ、はい、なんですか？」

智「これ、誕生日プレゼント」

大きな手から出てきたのは空色の絵の具でちっちゃいリボンが結ばれてる

「大野さん、ありがとう」

なぜか絵の具がふにゃりと滲む

涙は素直だ