幸せの法則-S.Ohno- (ページ18)

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紅茶のいい香りがする

マチコさんの紅茶だ

おでこに手が乗ってる

私を撫でてくれている

「ん……あれ、」

目を開けると大野さんが私を覗き込んでいた

智「おはよ、マチコさーん、チュウさーん、Aちゃん起きたで」

マチコさんは私を見るなり紅茶を勧めてきて

チュウさんに至っては一人暮らしでは食べられないほどの食糧をくれた

智「あー、んー、帰る？」

何も聞かずに何も言わずに私を見て微笑むこの人は

私の全てを理解してくれたんだと勝手に思ってしまう

「はい、帰ります、」

ほんの少しこの人が、この人の手が私の心を溶かしてくれたようで

嬉しくて、胸のあたりがあったかい

外を出ると寒くて鼻が赤くなりそう

そこに1人の深く帽子を被ってマスクをしてる人がいる

智「あれ？しょーちゃん？」

翔「智くん、今日飲みに行く約束だったじゃん！ってごめん、デート中だった？笑」

櫻井さんだとわかってなんだか安心した

でもデート中って、…違います違いますと首を思いっきり振った

翔「せっかくだし、飲みに行く？」

「未成年なんですけど…あ、でも明日になれば、大丈夫です」

そうだ、私、明日誕生日だ

翔「え？、まじで？！よし行こう、俺の奢りだ！笑」

智「やったー！」

翔「智くんじゃないよ！笑」

櫻井さんと大野さんと飲みに行くことになったけれど

少し気が引ける、でも大丈夫な気がして

飲み屋へ一歩踏み出した