#06 ページ6
spring moon #06
月曜の夕方、授業を終えて直ぐ荷物をまとめた
私はその足で家の近くにある地下鉄前へと向か
っている最中だった。
夕飯を外で食べようとジソンに誘われた事はい
いが、午後から授業が入っていないジソンと合
流するには地下鉄前だと言う決まり事があった。
休み明けにカフェへと出向くつもりでいたけれ
ど、生憎今日は行けそうにない。
気紛れに降っていた雪は、最近になって急にぴ
たりと止まってしまった。
お陰で傘を持って外に出る事もなければ、雪が
降っていた時程寒さは感じない為、好都合だ。
雪は降っていないが、相変わらず中々溶けない
路面に広がった真っ白な雪は歩く度にスニーカ
ーから不思議な音を響かせた。
ギュッギュッ、なんて不恰好な音を鳴らしては
地下鉄前に向かう為、歩みを進める。
ジソンの事だ、既に私より早く着いてしまって
待ちくたびれているに違いない。
滑らない様にと気を付けていた歩みを幾分早く
動かしながら歩いているうちにカフェの前まで
来ていた。
甘いラテが恋しい、なんてガラス張りの店内を
ちらりと見ながら通り過ぎようとした時。
レジカウンターにて外を眺めている最中だった
彼と、目が合ってしまった。
私に気付いた彼は勢い良く姿勢を正すと、嬉し
そうにふにゃふにゃと顔を綻ばせて大きな手を
ひらひらと何度も振った。
反応が仔犬みたいで可愛らしい、なんて笑みを
浮かべながら手を振り返して見せる。
思わず歩みを止めて手を振っていると、何かを
聞きたそうにこちらへ向かって来る。
重たいドアが開くと同時に店内の暖かい空気が
外に漏れ出し、身体を寒さから守ってくれる様
だった。
「Aさん...今、帰りですか？」
「はい、さっき大学の授業を終えて」
他愛もない会話の始まりだというのに、どうし
て彼はこんなに眩しく微笑むのだろうか。
「今日は寄って行きませんか...ラテ、とか」
余りにも寂しそうに言われてしまう為、ジソン
と夕飯食べてからはそのまま帰ろうと思ってい
たが、どうにも出来そうにない。
「これから友達と夕食なんです、それから来て
もダニエルさん居ますか？」
「最終までいるから...俺、待ってます！」
私の言葉にころころと表情を変える彼に思わず
笑みを洩らしながら。
ジソンとの夕食後、カフェに寄るのだという予
定をそっと付け足した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 155人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
choi(プロフ) - maryさん» ジソンオンマタイミング！笑 母性本能全開のジソンさんにはオンマ的ドジも頑張ってもらわないと、と思いましてヽ(´o｀；にしても我ながら今のタイミングはちょっと！ですヽ(；▽；)ノ (2018年9月12日 19時) (
レス) id: 3ac3189961 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - あああああ！！ジソンオンマー( ＴДＴ)今は声かけちゃダメー( ＴДＴ)笑 (2018年9月12日 12時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - ぜひ！！ぜひその番外編読みたいです！！( *´艸) (2018年9月12日 12時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
choi(プロフ) - maryさん» ジェファンとの絡みに反応下さるのmaryさんだけなので、密かに凄く嬉しいです！笑 番外編でダニエルくんとジェファンのお話を書こうかな...なんて思っちゃいますヽ(´o｀； (2018年9月12日 11時) (レス) id: 3ac3189961 (このIDを非表示/違反報告)
mary(プロフ) - ジェファンとの絡み待ってましたー！！やっぱりダニエルくんとジェファンくんの絡み大好きです(*´∇｀)もうウジンに何されたんだ！！笑 (2018年9月11日 23時) (レス) id: d75f5942a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：CHOI | 作成日時：2018年7月9日 16時
