０時を過ぎても魔法はとけない２ (ページ7)

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５６-KHside- ページ7

HR『なぁぁぁんか違うんだよなぁ～…。』

DH『まだ言ってんの？』

HR『だって何かいつもと違くない？Aさん。ねぇヒョンそうでしょ何か違うよね…？？』

『…さぁな。』

HR『何だろう…何が違うんだ…？あぁ！もやもやする！！』

分からない奴は、分からなくて良い。
ちょっとした事なのかもしれないが、そんな事にも気が付けないのならそのまま知らずにいれば良い。

何かいつもと違わないかだって？
当たり前だ、全然違う。
何てったってあいつは今日いっちょ前に化粧をしているのだから。
それはそれは薄いものだろうが、俺から言わせればそれは以前と天と地の差ぐらい大きなもので。

何より前まで頑なに化粧をしなかったあいつが、昨日の俺の一言でするようになったってんだから気分が良い。

あいつも案外、可愛い所もあるもんだな。
俺に言われたからと言って化粧を？
あんなに必要ないと豪語していた化粧を？
そう思うだけで、言葉にし難い優越感を感じる。

素材は決して悪くはないんだ。
それなりに施せばそれなりに見えない事もない。
あいつも何だかんだ言って…女なんだな。

化粧なんてしてないだなんて強がって嘘までついちゃってさ…可愛いったらありゃしry…

RW『気付いてないと思うから言うけど。』

『ん？♪♪♪』

RW『…表情管理出来てないよ？…気持ち悪い。』

『………。』

俺、今。どんな表情をしてたんだ…？
何ださっきのあの感情。あいつを可愛いくて仕方ないみたいな…そんな恐ろしい感情。

A『さ、皆様。休憩はその位になさってお仕事にお戻り下さい。』

SM『えー…あと５分だけー…良いでしょ？』

A『だ･め･で･す！！！』

DH『ちぇー…。』

…これを？
こいつを可愛いだなんて間違っても思ったりなんてしたのか俺は？

A『…キュヒョン様も早くお戻り下さい？大好きな書類がたぁぁぁくさん待っておりますので。』

『………。』

やっぱり可愛いくなんてない。絶対にだ。
少し化粧をして女っぽくなったからって、中身がこれじゃ台無しだ。
これで少しでも愛想があれば違うのに。

本当に、サイボーグ…みたいな女。

お前のその鋼のように硬い表情は…。
いつになったら、どうしたら花のように笑うんだ？