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*菜愛side





あま「お義姉様。お願いがございます」




そうあまねが私に何かを頼むことは珍しい。
もしかしたら嫁に来る前以来かもしれない。

内容も何も断る理由もないし願ってもない事だ。
勿論だと承諾し、私は今とある部屋も前にいる。





『__耀哉。私だ、入るぞ』


耀哉「……」





返事がない。寝ているのか?
そこまで呪いが侵食しているのか。

やるせない気持ちになりながらも襖を開いた。
中にはにちかとひなきが耀哉の世話をしていた。






『すまないが、にちかとひなき。
一時的に退出してくれ。2人でいたい』





生前、最後の会話になるかもしれない。と思った。
奥で床に伏せる耀哉にはもう死臭が漂っている。

心音も前にあった時よりずっと弱っている。
だから話をしたい。謝りたい。抱き締めたい。






に/ひ「「申し訳ありませんが
部外者(・・・)の方は退出を願います」」


『___は?』






にちかとひなきの声には怒気が含まれていた。
心の中から若干の憎悪も聴こえる。

それよりもガツンと頭を殴られたようだった。
私は血が繋がってないにせよ彼女らの"叔母"だから。

叔母だったつもりだった。家族のつもりだった。







にち「部外者は出ていきなさいと言っているのです」


ひな「下賎な者がこの場に入ることは許しません」







バシャン、という音を立てて水を頭から掛けられた。
完治しきっていない傷にしみた。薬湯か。

今ここで話をさせてもらうことは不可能か。
にちかとひなきは所詮はまだ幼子。

隙を見計らえば何時だってここに来れるだろうと
そう判断した結果、私はここを去った。



しかし、さすがは産屋敷の血と言ったところか。
私の考えの方が甘く、判断を間違えた。

もう2度と耀哉に会えなくなるだなんて
その時は考えもしなかったのだ。







輝利「申し訳ございません、叔母様(・・・)


『何故、輝利哉が謝るんだ?』


輝利「にちかとひなきの事です」






皆は前々から疑問に思っていたのだと言う。

私は何故産屋敷なのに呪いに苛まれないのか。
何故父親が苦しい思いをしなければならないのか。

ひと言で言えば知られたんだ。
私が元・奴婢で産屋敷の血が流れていないことに。






『(成程。だから"部外者"か)』





否定もできない。事実なのだから。
私は何も言わずに輝利哉の隣を去った。

ただ頭の中に"下賎"と"部外者"という言葉を
ループさせながら自分の屋敷に戻った。

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彼岸(プロフ) - ありがとうございます!そう言って頂けるととても嬉しいです! (2020年12月2日 12時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - テスト頑張ってくださいね!更新は急がなくて大丈夫ですよ!お身体大事になさって下さい!更新は気長にゆっくり待ってます! (2020年12月2日 11時) (レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - すみません、意図は無いです。更新間違えしました! (2020年11月27日 18時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
萌 李 。(プロフ) - 話数が160から163になっていますよ!何か意図があるなら申し訳ないです。いつも楽しく読ませていただいてます!続き楽しみにしています! (2020年11月27日 16時) (レス) id: 4efc2c34fa (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 原作全てをもって終了させていただく予定です。長くなると思いますが、お付き合い下さい。 (2020年11月24日 9時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年11月23日 19時

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