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*菜愛side
目が覚めてから3日程の時間が経過した。
蝶屋敷にいる間は必ず戦いの後で重症の為か
ここにいる間は皆が随分と過保護になる。
塁「はい、姉さん。林檎剥けたよ」
『……ありが、とう』
3日前と比べて随分と声も出るようになったが、
依然私はベッドの上で一日を過ごしていた。
リハビリ、と称して厠に行くこと以外に
出歩くことは危険なので許されていない。
こうして見舞いにきてくれる人と話す事しか
最近の楽しみはなかった。
堀川「こっちの柿も剥けました、はいどうぞ!!!!」
『あ、りがと…』
見舞い品を剥いて貰いながら
そろそろ太りそうだとお腹の肉を摘んだ。
隣の炭治郎も玄弥もまだ目は覚まさない。
そういえばまた神様にお礼を言えなかった、
そう思いながら不意に見上げた空に鳥がいた。
見覚えのある鳥は私の肩に止まると1つ啼いた。
茶月「ホケキョ!!!!」(訳:柱合会議!!!!)
『……ん』
ここには無一郎も蜜璃もいないが
たぶん目が覚めたんだろう。
だから今このタイミングで柱合会議が始まる。
上弦ノ月のした三体が倒された。
この後から鬼の動きも少ないらしい。
まさに「嵐の前の静けさ」だという。
『(最終決戦まで時間がないのか)』
近い将来、鬼との決戦が始まる。
鬼を討てる、という点では喜ばしいが、
鬼に滅ぼされるかもしれないという不安もある。
今の私には自信がなく、
またこのままでは良くて相打ち、最悪犬死だ。
今の戦力では負けるのが目に見えている。
佐川「着きました、月柱様」
『…あり、がと、佐川、さん』
有一「師範は俺が運ぶことになってる」
『…頼む』
片腕でヒョイッと軽く担ぎ上げる有一郎に
なんだか嬉しくも寂しくもあった。
有一「師範、俺無一郎と話したよ」
『…そ、うか」
有一「俺の事思い出してくれた」
『うん』
有一「俺…ち"ゃんと"…無一郎にあやまれた"よ」
(訳:俺ちゃんと無一郎に謝れたよ)
『うん』
有一「無一郎さ、笑って"ゆるし"て"く"れた"よ」
(訳:無一郎さ、笑って許してくれたよ)
『うん、良かっ、たね』
有一「おで…いき"ててよか"った"」
(訳:俺、生きてて良かった)
有一郎は無一郎に酷いことを
言った事をずっと後悔していた。
例えばそれが愛情の裏返しだったとしても。
長い時を経てやっと仲直り出来たんだ。
良かったな、有一郎。無一郎。
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彼岸(プロフ) - ありがとうございます!そう言って頂けるととても嬉しいです! (2020年12月2日 12時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - テスト頑張ってくださいね!更新は急がなくて大丈夫ですよ!お身体大事になさって下さい!更新は気長にゆっくり待ってます! (2020年12月2日 11時) (レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - すみません、意図は無いです。更新間違えしました! (2020年11月27日 18時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
萌 李 。(プロフ) - 話数が160から163になっていますよ!何か意図があるなら申し訳ないです。いつも楽しく読ませていただいてます!続き楽しみにしています! (2020年11月27日 16時) (レス) id: 4efc2c34fa (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 原作全てをもって終了させていただく予定です。長くなると思いますが、お付き合い下さい。 (2020年11月24日 9時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年11月23日 19時