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*菜愛side
っ……肺を刺されたのか。一体何時?
でも腹部からの出血はない。
それに無情から目を離した事などなかったはずだ。
時を止める能力でも持っているのか。
それとも目に見えぬほどの速さで穿ったのか。
どちらか分からない。
分からないと手の施しようがない。
ならば_______。
『命ノ呼吸・獣ノ舞_神・噛み斬り砕き』
《拝命いたします》
《命令を受領しました》
《了解》/《ほほぉう、お目が高い》
『噛みちぎれ、小狐丸。
剣で斬り穿て、白山吉光。
骨まで噛み砕け、鳴狐』
小狐《噛まれると痛いですよ、野生故》
白山《下がりなさい》
鳴狐《うん》/お供《さあ鳴狐、会心の一撃を!》
悪鬼には見えない。
私にのみ見える顕現されし神と子が死に躍る。
鬼には刃が4つ舞っているようにしか
見えない異様な技と累と禰豆子が言っていた。
無情「これが恐ろしいというものか。
あぁ恐ろしや恐ろしや」
とか何とか言う割には全く避けようともしない無情。
やがて私の攻撃を抵抗もなく受けた。
小狐丸が心臓を穿ち、
白山吉光が頭を穿ち、
鳴狐が四肢を穿った。
『うっ…あ"あ"ぁ"ぁ"あ"あ"ぁ"ぁ"』
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
あまりの痛みに耐えかねて自分自身を抱擁する様に
抱きしめながら不格好にも地面を転がる。
心臓が鷲掴みにされたように痛い。
頭が割れるようにズキズキとする。
四肢がもぎ取られたかのように痛む。
『っ……ハァ…ハァ……ッッ……』
しばらくして膝立ちになった。
でもやはり痛みには耐えられず頭は地に着く。
必然的に腰の位置が高い土下座の形をしていた。
ポタリ、ポタリと赤い血が刃の中腹に付いた。
刀身の中心部分を赤く赤く染めてゆく。
無情「苦しいのう…痛いのう……。
あのお方をいじめるからじゃ。可哀想に可哀想に」
『っ……ねぇ……ハァ…あの……お方
…って…ハァ…ッッ……誰さ?…ッッ』
無情「我らの長"半天狗"様じゃ。
あぁあぁ。死にそうだなぁ…自業自得だなぁ」
__
__
__
あぁ。ごめん真菰。カナエ。炭治郎。
私やっぱり鬼を慈しむことなんて無理だわ。
『調子乗ってんじゃねぇぞ』
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彼岸(プロフ) - ありがとうございます!そう言って頂けるととても嬉しいです! (2020年12月2日 12時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - テスト頑張ってくださいね!更新は急がなくて大丈夫ですよ!お身体大事になさって下さい!更新は気長にゆっくり待ってます! (2020年12月2日 11時) (レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - すみません、意図は無いです。更新間違えしました! (2020年11月27日 18時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
萌 李 。(プロフ) - 話数が160から163になっていますよ!何か意図があるなら申し訳ないです。いつも楽しく読ませていただいてます!続き楽しみにしています! (2020年11月27日 16時) (レス) id: 4efc2c34fa (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 原作全てをもって終了させていただく予定です。長くなると思いますが、お付き合い下さい。 (2020年11月24日 9時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年11月23日 19時