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＊太鼓鐘貞宗side
俺は短刀で、戦力も太刀のみっちゃんや鶴ちゃん、打刀の伽羅ちゃんには適わない。
だから任務で重症を負った結果、
主に置き去りにされた。
元々主は俺たち短刀を好いてはいなかった。
強くて容姿のいい刀を愛でた。歪な形で。
俺は時間遡行軍に殺されるのは今か、今かと
日々置き去りにされた森の中で震えながら待った。
でも俺に向けられたのは、
時間遡行軍の刃でも、
心の中のどっかで望んでいた主の手でもなく、
盲目で暖かくて骨ばんでいる頼りない大きな手。
その人は"悲鳴嶼行冥"と言って俺は"ヒメちゃん先生"と呼んで慕っていた。
決していいとは言えない暮らしだったけれど、
毎日体を寄せあってギュウギュウずめに寝ることや
泥だらけになって叱られることは昔の本丸みたいで
楽しかった。
同時に罪悪感もあった。
俺だけこんなに幸せでいいのか。
そんなある日、その幸せさえも崩された。
"鬼"。
＿＿人一倍、承認欲求の強いあの子が…。
＿＿人一倍、生存本能の強いあの子が…。
_______ 獪岳がみんなを殺した。
怒りは治まらない。
やっぱり人間はロクでもない。
それは俺も同じだった。
刀があるのに震えて鞘から抜くことが出来ない。
目の前で死んでいく家族をただ、
呆然と見つめることしか出来なかった。
行冥「みんな、私の後ろにいなさい!!!!」
_______俺は刀なのに、人に守られるのか？
なぁ？俺みたいな力のない刀には何が出来る？
教えてくれよ、誰か_______
《こっちにおいない。》
百舌鳥のような、恐怖と甘い声が頭に響く。
太鼓《…だれ？》
《うちはあんさんとおんなじ付喪神》
太鼓《そっちに…何かあるの？》
《うちん贄娘が助けてくれへんよ。きっと。》
甘い誘い水だった。
それでも一か八か、賭けるしかなかった。
声のした方へ。あの甘い水の方へ。
俺はヒメちゃん先生の言いつけを初めて破り、
一心不乱に森をかけた。
草木を掻き分けた先、俺は白ウサギを見つけた。
_______頼む!!!!助けてくれ!!!!
そう思い、手を伸ばした先に待っていたのは
鋭い4段突き。
太鼓「っぶねぇ!!!!…(でも、)…やっと見つけた!!!!」
『は？』
ウサギは心底不愉快だと言わんばかりに眉を寄せた。
同時にその赤い瞳に"恐怖"を映し出した。
_______俺が…怖いのかな？
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伊織(元三日月)(プロフ) - 0× の所が無一郎が霞柱と隠のところにいますよ。これからも頑張って下さい (2020年12月2日 2時) (
レス) id: 73bdd1a7af (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！たぶん治ったと思うのですが、まだ「上限」となっていたら教えていただけると嬉しいです！ (2020年11月12日 21時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
al8056(プロフ) - 今思ったんですけど上限ではなく上弦ですよ (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6b4ec52995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サエル=クレメンス | 作成日時：2020年10月25日 11時
