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*菜愛side
髭切様と膝丸様が去った。
不思議なことに、あまねは2人…否。
2柱が関わった出来事を一切覚えていなかった。
ならば私だけが覚えておけばいい。
______________あの美しい神様たちを。
そう思いながら、先を急いだ。
その先には髪の長い子供がいた。
私よりも何歳も下の寂しい目をした子供たち。
『初めまして、時透有一郎くん、無一郎くん。
私は産屋敷菜愛と申す者だ。____話をしよう』
私には力がない。
弟子の3人も死なせてしまったけれど、
君たちが許してくれるのなら、
私という愚物に君たちを救わせてくれないだろうか。
そして、願わくば。鬼殺隊にはならないで欲しい。
その言葉は決して誰にも言ってはいけない。
無一「僕は時透無一郎です。
今、兄さんを呼んできますね。ボロですけどどうぞ」
『…では。遠慮なく。((ナデナデ』
少し、遠慮しながら家の中に入れてくれる
無一郎を撫でた。
すると彼は目を細めて嬉しそうに擦り寄った。
「猫だ」、と思ったのは仕方あるまい。
お茶がないので、水を出してくれた。
そんな暮らしをしてるんだね。
あまねは嫌な顔一つすることなく、
本題に入った。
無一郎は嬉しそうに聞いていたが、
いいことではないんだよ。
決してそういう意味では言ってないが、
鬼殺隊に入るということは死に直結することなんだ。
「断ってくれ」
…もう誰かが死ぬところは見たくない。
それは決して言葉にならない叫び。
バン、と勢いよくボロの扉が開かれた。
そこに立っていたのは鬼の形相の無一郎。。
「誰だお前らっ!!!!
俺たちに返すもんなんてない!!!!出てけ!!!!」
無一「っ、兄さん!!待って、この人たちはっ」
ではなく、兄の時透有一郎。
有一「うるさいっ!!!!お前は黙ってろ!!!!
それだからいつまでたっても無一郎なんだ!!!!」
『_______?』
どういうことだ?
有一「だからお前はいつまでたっても無能なんだ!!!!
無一郎の"無"は無能の"無"なんだっ!!!!!!」
_______パンっ!!!!!!
気づけば私は、有一郎の頬を叩いていた。
真っ赤に色付いた頬を有一郎が抑え、
皆は呆然と私を見ていた。
やってしまった、とは思ったが後悔はない。
私は有一郎に怒っている。
たとえ本気で思っていない言葉だとしても。
私はその言葉を許さない。
『訂正しろよ、その言葉』
__私はお前を許さない。
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伊織(元三日月)(プロフ) - 0× の所が無一郎が霞柱と隠のところにいますよ。これからも頑張って下さい (2020年12月2日 2時) (レス) id: 73bdd1a7af (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!たぶん治ったと思うのですが、まだ「上限」となっていたら教えていただけると嬉しいです! (2020年11月12日 21時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
al8056(プロフ) - 今思ったんですけど上限ではなく上弦ですよ (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6b4ec52995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年10月25日 11時