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*菜愛side
例の神隠し事件から毎日、
私は浮世と現世に話しかけていた。
もう一度、彼らの姿を見させてはくれないだろうか。
直接、お礼を言うことは叶わないのだろうか…と。
傍から見れば、呪い子が"
私をよく思わない人にとってはそれがお気に召したようで「気味が悪い」や「頭がイカれた」など、言いたい放題だ。
月満「辛気臭いわね、任務よ、任務」
『はいよっと、行きますか』
月満「今回は気をつけなさい、"忍の郷"よ」
『わぁ、殺されそう』
カチャリ、音を立てて浮世と現世を腰に差す。
布ずれの音を立てて身に纏う隊服は4年前と比べ、
随分と大きくなったものだ。
初めは下着が見えるほどの短い"すかぁと"とかいうやつを渡されてとても困った。
それは黒い笑顔の耀哉が焼いてしまったのだが…。
都会から離れ、鬱蒼とした森の中に足を進める。
私はこれでも鍛えている身なので大丈夫なのだが、
一般人は愚か、それこそ忍や鬼殺隊でしか通れない道に本当にここなのかと不安になる。
『っ…ねぇ、本当にココなの?』
月満「えぇそうよ、疲れたの?体力ないわね」
『だったら、お前も歩けや、デブウサギ』
月満「小町兎になんてことを言うのかしら!」
取っ組み合いをしながらも進む畦道。
ようやく里影が見えてきた時にはもう既に夜だった。
さすがは忍の郷と言ったところか。
廃村の如く人の気配はないご、
うっかりと足を踏み入れれば殺される濃い殺気。
下手に動けば殺されかねないな。
月満「様子、私が見てきましょうか?」
『いや、動物でも殺されかねない。
今日は動かない方が得策だと思う』
ということで、今日はお手上げ、
という結論に至り、身を休めることにした。
来る時に見つけた川を目指し、夜道を歩く。
鬼殺隊となる前は夜も家の外に追い出されていたので幸か不幸か、夜目は効く。
『……おっ』
その川の傍に、恐らくこの郷の者であろう男が大の字に寝そべっていた。
彼はまだ私に気づいてはおらず、私は気配を殺して彼の背後を取った。
『こんばんは、月が綺麗ですね』
他意はない。
「っ!!!!誰だテメェ、郷のモンじゃねぇな」
『私は月奏桜兎と申します、以後お見知りおきを』
「別の郷のモンか。俺らを殺し気に来たか」
『滅相もない』
そう言う割には、殺されたそうな目をしてますね?
今回のターゲットさん♡
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伊織(元三日月)(プロフ) - 0× の所が無一郎が霞柱と隠のところにいますよ。これからも頑張って下さい (2020年12月2日 2時) (レス) id: 73bdd1a7af (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!たぶん治ったと思うのですが、まだ「上限」となっていたら教えていただけると嬉しいです! (2020年11月12日 21時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
al8056(プロフ) - 今思ったんですけど上限ではなく上弦ですよ (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6b4ec52995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年10月25日 11時