神憑きの鬼殺隊･壱

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＊鬼舞辻無惨side



怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

その2つの単語が頭を埋め尽くす。




＿＿【君は近いうちに死ぬよ】




なるものかっ…私は完璧なのだ。
全ては私が正しいのだ。

こんな小娘に殺されてたまるものか!!!!






『恨み、辛み、憎み、人はやがて全てを無に返す』


＿＿【忌み嫌い、奪い、恨み、全てを無に返す】





『我が名は月奏桜兎。産屋敷家を守る白い化け物。
いずれお前を必ず殺そう。無様に逃げ遂せよ』


無惨「ｯｯ…私の名は鬼舞辻無惨。お前たち鬼狩りを滅する者。正しいのは私だ。いずれ殺しに来よう」





そう言って私は逃げた。

この私が逃げたのだ。

無様にも生き恥を晒し、小娘などに背を向けて。

たとえそれがあの小娘が弟を守る為に
わざと逃がしたのだとしても。

1000年…ずっと生きてきた中で最初の汚点。





＿＿【殺すしかない】





私はあの小娘に殺される




＊＊＊＊＊

菜愛side



“鬼舞辻無惨”が去った。

今すぐにでも殺してやりたい。

でも今の私には力がなかった。

耀哉を守りながら鬼舞辻無惨を倒す力が。





『……申し訳ございませんでした』





くるりと後ろを向いて震える耀哉に土下座をする。

私は恩を仇で返した。

助けていただいた恩に…迎えてくださった恩に報いることが出来なかった。








何が玉兎、何が化け物。…人1人守ることの出来ない化け物など存在に値しない。

私を許さないでくれ。

怒ってくれ。憎んでくれ。

お前のせいだと責めてくれ。







耀哉「ｯｯ…姉さん、ギュッてして」


『……なりません。私は穢れ。貴方様に触れることなど許されません』






白はすぐに染められてしまう。相手が黒なら尚更。

ふわり、藤の香りが私を包み込む。

私が動かないから震えながら
耀哉が私に抱きついてきたのだ。





耀哉「許されないのは鬼舞辻無惨だよ。
姉さん、ありがとう。私を守ってくれて」

＿＿ありがとう、耀哉を守ってくれて。





もう聞こえることの無いあの優しい声が聞こえた気がした。

ごめんね、耀哉。申し訳ございません、お父様(･･･)。それでも私は私を許しません。

鬼舞辻無惨を殺し、いずれそちらへ参ります。
己と無惨に最大の不幸を。

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