検索窓
今日:11 hit、昨日:25 hit、合計:333,473 hit

44+ ページ48

*一期一振side




浮世「それとも__亡くなった兄弟の影を持つかな子が傷つくんのが嫌なんか?」





_______!!!!

図星だった。
そう、私はもう嫌だったのだ。

目の前で弟が消えゆくのが。
何も守れず、人間に縛られる事しか出来ない自分が。



同時に悔しくもあった。
あの日の晩、鬼に襲われた弟を救ったのは恨んでいた人間だったから。

叔父上殿を、重症の薬研を助けてくれたのが人間だったから。

なぜ私には弟を、、家族を守る力がないのだ。
なぜあのような幼子にあって私には無いのだ、と。



生き地獄の中で彼女の話をする時だけ、
弟達の目は生き生きといていた。

だったら縛ってしまえばいいと思った。
弟達の笑顔を守るためなら闇にでも堕ちてやると。

そう思って好きでもない気味の悪い小娘に笑いかけ、石切丸殿に協力してもらい神隠しをした。



でもそれもすぐに後悔した。

神は人の信仰の上に成り立つ創造物でしかない。
特に私たち付喪神はなおその影響を受けやすい。

つまり、私たちの神域に人間が入り込めば、
その人間の心の影響を受けやすい。



彼女に影響された石切丸殿の神域は心地よかった。

四季関係なく花々が個を主張して咲き誇り、
空気は澄み、涼やかな波の音が聴こえる。

それは彼女の心が清い…清すぎる証拠だった。



弟を守りたい…だから神隠しをしたのに、
でも何時しか、彼女を守りたい…そう思ってもいた。






一期「無論、彼女も守りたい。私の手で。今度こそ」


浮世「悪いやけど、そら聞けへん望みどすえ」


一期「ならば奪うまでだ。あの方は我が主殿だ!!!!」


浮世「ぬかせ、餓鬼が!!!!」






スルリと、抜刀した。
私は負けない、弟の為にも。我が主殿の為にも。






一期「一期一振、参る!!お覚悟!!!!」


浮世「来る小鳥は一期一振、かな。
我、天を穿つ刃・浮世ノ無月。推して参る」





刀の種類でいえば勝負は勝ち戦だった。
しかし、私は防戦一方。彼女は強すぎた。





浮世「我が一振は神をも殺す怒槌の鉄槌である!!!!」


一期「あぁ…世界が、燃えている……還るんだな…、あの、炎の中へ…」


現世「えぇ、帰りましょう。いつか我が君の元へ(・・・・・・)


浮世「チィ。今はまだ、うちん主や。いつか迎えに来はる。それまで待ちよし。ええな?」






__いつか、いつか本当に迎えに来てくれるのだろうか。

これだけのことをしておいて、、私は。

45+→←43+



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (72 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
240人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 刀剣乱舞
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

優夜 - 楽しかったです (2021年12月27日 20時) (レス) @page50 id: 8c35d92784 (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 設定のイラストってアプリでやりましたか?それともご自身でお書きになりましたか?もしアプリでしたら、アプリ名を教えて頂きたいです。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: 803e1c5f4f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ありがとうございます!過去最高58位なんてとってもうれしいです! (2020年11月4日 8時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
いぐろ - この作品スゴク面白い! (2020年11月3日 7時) (レス) id: abcdb48192 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ありがとうございます!とっても嬉しです (2020年10月19日 22時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年10月1日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。