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35+ ページ35

*菜愛side



私は確かに女だが、これでも1人の"武士"なのだ。刀を持つことを嘲笑・同情されては不愉快である。





『……もうお喋りはいいだろう、とっととくたばれゴミ野郎』


童磨「う〜ん、さっきは嫌いって言ってごめんねぇ。やっぱり訂正!!!!俺、君のことが気に入っちゃった♡」





身体に粘り着くような、まとわりつくような甘い声が蛇のように絡まりつく。

私のことを嫌いだ、と豪語した時とは違い、華麗な手のひら返しをしてくる。

心做しか表情はうっとりとしていた。
初めてみる表情に本来なら歓喜するべきかもしれないが、私はどうしても気味が悪いと思ってしまった。






『ボソッ))……気味の悪い』


童磨「クスクスクス))…いやぁごめんねぇ、もう少し遊びたかったんだけどもう時間みたいだよ」


『……は?』


童磨「また会おうね、桜兎ちゃん♡」






__ベベンッ、と琵琶の音が響いた。
刹那、目の前のニタニタした顔は忽然と姿を消していたら、残された私たちはただただ唖然とする他なかった。




*****




「なぁ、月奏のお嬢」


『……?。なんでしょうか。(お嬢?)』





馴れないな呼び方をしてきたのは薬研様だった。

私を真っ直ぐと射抜く薄紫の瞳は輝きを増す。
見透かされているようなその目が怖かった。






薬研「お嬢は噂の"鬼殺隊"とやらか?」


『……噂かは分かりませんが鬼殺隊ですね』


薬研「……ケガはねぇか?」


『……えぇ、大丈夫です。
ご心配ありがとうございまッ?!』






右手を力強く握られた。
何故か、ジンジンとした痛みが走る。

その華奢な体型からは想像もつかない力だ。






鳴狐「……やっぱり」


薬研「やっぱケガしてんじゃねぇか」


『……気づきませんでした、ほっとけば治ります。
皆さんはおケガ、ありませんか?』


宗三「僕達はありませんが、あなたは女性でしょう。もっと身体に気をつけなさいな」


『ピク))……どれだけケガをしようが鬼狩りができるのならそれは無傷だ。気遣いは感謝しますが、放っておいてください』







_______分かっている。

宗三左文字様は私の身体を気遣ってくださったことぐらい。

それでも童磨戦の後に"女だから"という言葉に私は過剰に反応してしまった。

結果、掴まれていた右腕を強引に払い除け、私はその場をあとにした。

収まらない怒りは、近くにいた鬼を殺しに殺したことでようやく収まった。

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優夜 - 楽しかったです (2021年12月27日 20時) (レス) @page50 id: 8c35d92784 (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 設定のイラストってアプリでやりましたか?それともご自身でお書きになりましたか?もしアプリでしたら、アプリ名を教えて頂きたいです。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: 803e1c5f4f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ありがとうございます!過去最高58位なんてとってもうれしいです! (2020年11月4日 8時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
いぐろ - この作品スゴク面白い! (2020年11月3日 7時) (レス) id: abcdb48192 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ありがとうございます!とっても嬉しです (2020年10月19日 22時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年10月1日 13時

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