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*菜愛side
小心者の薊は先程の脅しが効いたようで……。
顔を真っ青にし、泣き目になりながら役目を果たす。
薊「……皆様、お疲れ様でございました」
苧環「まずは隊服を支給させていただきます」
薊「体の寸法を測りその後は階級を刻ませていただきます」
苧環「階級は10段階。甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸にございます」
薊「今現在、皆様は1番下の癸でございます」
パン、パン、と手を叩く薊。
帰還を祝う鴉。周りの肩に次々に止まっていく。
__あれ?私にはいないの?
と思った刹那、頭にモフりと何かが乗った。
『……え?』
「鎹兎、貴女の相棒よ。宜しくしてね」
『……あー…じゃぁ、
月満「了解したわ、よろしく…えっと?」
『……菜愛』
月満「菜愛ね、了解」
私だけ鴉じゃなくて兎なの?!って思ったけど、
月満とは上手くやっていけそうだ。
肩凝りは必須だけれどね。←
苧環「では、こちらから玉鋼を選んでいただきます。
鬼を滅し己の身を守る刀の鋼はご自身で選ぶのです」
私は一番端にある中くらいの玉鋼を選んだ。
月明かりに照らされ、キラキラと光る玉鋼。
一瞬、2年前の爺さんを思い出したから。
「「それでは、お疲れ様でございました」」
苧環「コソッ))絶対に落としますよ、背後には気をつけてくださいね?お義姉様?」
『クスクス))楽しみにしておきます、愚かな
オダマキ__花言葉は“愚か”
先程の恐怖で引き下がれば良かったものを。
苧環にはピッタリの花。
帰り、私はその足で鬼狩りをする。
日輪刀なら今浮世があるから問題はない。
春疾風を追い、夜に駆けた。
「うわぁぁぁぁああ!!!!いち兄!!いち兄!!」
「やだやだやだやだやだやだ!!来るなぁああ」
「秋田っ!!乱っ!!…ッッ大将っ助けてくれよ!!!!」
「はっ、"たんとう"なんかいらねぇんだよ。
数減らしにはちょうどいいだろうがよ」
およそ7の気配。
泣き叫び、助けを求める子供を前になんて大人だ。
"たんとう"…とはなにかはさっぱりだけども
私は鬼狩り。鬼であれば召し、他は守る。
「いわとおし!!いわとおし!!たすけてくださいっ!!」
「ッッ…因果…応報……誰かを恨んだ罪…なのかな」
「キャッハハハハハ、死ねぇっ!!!!」
『……神に懺悔を。貴女の逝く先に祝福を』
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優夜 - 楽しかったです (2021年12月27日 20時) (レス) @page50 id: 8c35d92784 (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 設定のイラストってアプリでやりましたか?それともご自身でお書きになりましたか?もしアプリでしたら、アプリ名を教えて頂きたいです。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: 803e1c5f4f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ありがとうございます!過去最高58位なんてとってもうれしいです! (2020年11月4日 8時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
いぐろ - この作品スゴク面白い! (2020年11月3日 7時) (レス) id: abcdb48192 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ありがとうございます!とっても嬉しです (2020年10月19日 22時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年10月1日 13時