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*菜愛side



三日月宗近と名乗った自称・爺は宵闇に消えた。

私は三日月宗近に背を向けて夜に駆けた。

春の三日月が私を見ていた。


****


それから2年の月日が流れた。

耀哉は“鬼殺隊97代目当主”として
忙しい日々を送っていた。

私は鬼殺隊となるために昼夜、修行に励んでいた。
そして今日、最終選別へと向かう。





『……じゃ』


耀哉「うん、頑張ってね。生きて帰ってきてね」


『……ん』




ちなみに私は独学で呼吸を学んだ。

たとえば修行だとしても
耀哉のそばを離れたくはなかったからだ。

身につけたのは“月の呼吸”と“命の呼吸”である。








パンパン、と二泊・二礼。
ココは産屋敷家最寄りの神社。

三日月宗近に会った日から
私は毎日ここでお祈りをする。


『どうか、大切な者の未来に幸あらんことを』









2つの山を越え、藤の花が咲き狂う山に辿り着く。
藤の香りが私を包む。




「「今宵は鬼殺隊最終選別にお集まりくださって
ありがとうございます」」




出てきたのは産屋敷家の分家。
戸籍上、私の従姉妹に当たる2人だ。

崩れない表情は人間味がなく、
まるでのようで気味が悪いと思った。







「ココは藤重山、山の麓から中腹にかけて
鬼共の嫌う藤の花が一年中狂い咲いております」


「しかしここから先には藤の花は咲いておりません。
従ってこの先には鬼がおります」


「「この中で10(・・)日間生き残る」」


『……(あれ?7日じゃなかったっけ?)』


「それが最終選別の合格条件でございます。
ではいってらっしゃいませ」






少し不穏に思いながらも、私たちは送り出された。

従姉妹とのすれ違いざま、片方は言った。






「クス))______________」


『……(あぁ、なるほど)』





ならば私はお前たち分家に牙をむこう。

殺さずとも、女子供にも容赦はしない。

大切なものは己自身の手で掴み取るから。





大股で歩くあぜ道。

藤の匂い、藤の花が途切れた。





鬼「へへ、女だァ…女だァ…」

鬼「稀血…稀血…寄越せ、寄越せぇぇぇえええ」

『はて。稀血とは?…まぁいい。
命の呼吸、弐ノ型・命の舞、風流・乱れ桜』





春の冷たい夜風に薄桃の花が舞い踊る。

愛らしい花びらは幾千もの刃となって鬼を切り刻む。





鬼「ぎゃああぁぁああああああ!!!!」

鬼「あ"あ"ぁ"ぁ"あ"あ"ぁ"ぁ"」

『神に懺悔を。そして、貴方たちの逝く先に祝福を』

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優夜 - 楽しかったです (2021年12月27日 20時) (レス) @page50 id: 8c35d92784 (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 設定のイラストってアプリでやりましたか?それともご自身でお書きになりましたか?もしアプリでしたら、アプリ名を教えて頂きたいです。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: 803e1c5f4f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ありがとうございます!過去最高58位なんてとってもうれしいです! (2020年11月4日 8時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)
いぐろ - この作品スゴク面白い! (2020年11月3日 7時) (レス) id: abcdb48192 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - ありがとうございます!とっても嬉しです (2020年10月19日 22時) (レス) id: 1bd9e22ba3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サエル=クレメンス | 作成日時:2020年10月1日 13時

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