神憑きの鬼殺隊・終

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＊菜愛side







悪いな、実弥。
玄弥を斬り刻んだコイツを殺したいだろうが譲れ。
長らく待った私が殺すべき宿敵なんだ。






黒死「……夜菜……光明…」





誰だ、といでもいうようにその名を繰り返した。
その態度にも心底腹が立つ。

抑えきれない。溢れんばかりの殺気を放出した。
そしてズドン、と隣に1発大きな斬撃を飛ばした。






『別に思い出さなくていいよ。
君なんかに思い出される2人が可哀想だ』






所詮お前らにはその程度なのだ。
人の大切なものを奪おうともそれすら覚えてない。

腹立たしい腹立たしい。
ギリギリと刀を持つ手に力が篭もる。






『産屋敷菜愛。お前を殺す女の名だ。
お前はただそれだけを覚えておけばいい』


黒死「……そうか………そうだな」





決闘、だと言う演習か。
向かい合った場所から遠くの遠く。
耀哉の自爆とは比にならないくらいの爆発が起きた。






黒死「……なんだ」


『もう間もなく猗窩座が死ぬ合図だ』





他のことは気にせず殺しうぞ、
と言うように私は構えた。
それに気づいた黒死牟も刀身を見せた。






『随分と気味の悪い太刀だな』


黒死「……銘を…小烏……という」






『あっそ。
命の呼吸・源平ノ舞＿恋紫・沙羅双樹ノ寵愛』


黒死「月の呼吸・伍ノ型＿月魄災渦」






一点に私目掛けて振るわれる無数の斬撃。
月輪を纏うその斬撃の形は術者にも予測不能。

一方、源氏の重宝の神気を纏う私が繰り出す技は、
同じくノーモーションで沙羅双樹の花弁を纏う
無数の斬撃を繰り出す技。




黒死牟の月輪に触れればまず四肢が飛ぶだろう。
対して私の花弁に触れれば催眠効果をだす。

微量な風や刀の振る勢いによって舞い散るそれこそ
予測不能かつ厄介極まりないはずだ。








『命の呼吸・野獣ノ舞＿噛み斬り殺し』


黒死「……」((ｺｫｫｫ







確かに1発痛いのをねじ込んだ。
黒死牟は鬼の再生力と呼吸をうまく使い直ぐに回復。

長らく呼吸使いの鬼として生きてきたからか。
その使い方はさすがともいえるものだった。






黒死「やはりいい。
お前は鬼にしよう。あの方に永遠に使って頂こう」


『その前に君と鬼舞辻無惨は死ぬし、
鬼になったんなら共食いして日の光に当たるわ』





黒死「月の呼吸・壱ノ型＿闇月・宵の宮」


『命の呼吸・天下ノ舞＿報復ノ江雪・小夜時雨』







殺し果てあいは続く。相容れぬは許すまじ。
果たして先に命尽きるのは鬼か、神子か。

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