神憑きの鬼殺隊・終

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＊菜愛side





夜明けが来るまで残り10分を切った。
段々と東の空に明るみが出てきている。

もう少しだ、という安堵とともに
もう少しも(・)あるのか、という絶望。






『百鬼夜行・鵺の行進＿報復ノ江雪・小夜時雨』


蜜璃「もういい加減にしてよ!!!!」






泣きながら訴える蜜璃の思いも虚しく、
無惨はまだ抵抗を続ける。
既に致命傷。残り幾許もない命で叫ぶ。






炭治「陽花突」／『恋慕ノ舞＿恋雫・銀湾ノ月皇』






もうこれ以上技は出せない。
神力で強くしたけど肺は活動を辞めようとしてる。
もっと攻撃しようとしても物理的にもうできない。

けれども無惨の身体に斬りこんだ刃はくい込んだ。
呼吸はもう無理でもその刃は絶対に離さない。

でも、無惨はまだ余力があるのか反撃しようとする。







蜜璃「馬鹿!!!!… 初恋のわななき」


無一「さっさと死んでよ!!!!…移流斬り」






私と炭治郎の刀は無惨の体に刺さったまま。
夜明けまでこの禊を打ち込んでおけば無惨は死ぬ。
露払いは動ける柱が命を張ってやってくれている。

例えば今のように大きく口を開けて
取り込もうとしても臆するな。逃げるな。

前進しろ。もっともっと深く深く刺し込め。
グイッと力を振り絞って奥に刺し込んだ。






実弥「風の呼吸・捌ノ型＿初烈風斬り」


小芭「蛇の呼吸・参ノ型＿塒締め」


『グッ……炭治郎!!!!』






何を思ったのか。
無惨は顔全てを口として炭治郎を喰おうとした。

ギシリ、グシャリ、と骨の軋む音、肉の潰れる音。
中々聞くことの無い音が耳に鮮明に届いた。

頭を潰されたせいでぐらりと身体が歪む。
それでも刃は意地でも離さなかった。





炭治「菜愛ーー!!!!」


実弥「夜明けだ!!!!このまま踏ん張れ!!!!」






これが最後の悪あがきか。
今までで1番強い衝撃波を繰り出してくる無惨。

他の柱は皆遠くへ飛ばされ、炭治郎も腕を失う。
力の入らない足に刃を手放しそうになった。

だが、柄を握る手に大きな手が重なった。
後ろに大きな身体が密着して再度、無惨に刃を刺す。






『ｯｯ…このまま夜明けを迎える!!』


宗近「あいわかった。頑張ろうな、菜愛や」


炭治「義勇さん!!!!」


義勇「ｯｯ…あ"あ"ぁ"ぁ"あ"あ"」








___燃やせ。燃やせ。心を燃やせ。

何時だって私の力となってくれた宗近。
貴方と戦える日が来るなんて夢にも思わなかった。

ありがとう、と言うように私は宗近の力を借り、
日輪刀を柄まで通した。

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