神憑きの鬼殺隊・終

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＊菜愛side





『で？こんなピンチの時に何の用ですか？』






プレスされる身体に耐えながら言葉を紡ぐ。
私はまだ彼らを呼んでいないと言うのに。





青江「主の望みを叶えに来たんだよ。
…この窮地を脱出したいって望みのことだよ」


数珠「我らは短刀ではありません。
しかし主、今は貴女のための刀なのですよ」





同じ刀派は兄弟のようなもとだという。
2人が微笑む姿はさすがと言うべきか似ていた。
それでいて大人なその笑顔に酷く安堵を覚えた。







青江「ほら、呼びなよ。僕達のことを」






一夜限りとはいえ彼らの主だ。
彼らは神であり、人であるが依然"刀"なのだ。

刀は誰がなんと言おうと"斬るモノ"であり、
使用者がいなければ意味の無いものなのだろう。

そんな彼らにとって"使われる"というのは
刀のして史上の幸福なのかもしれない。

そしてここまで言われて彼らを呼ばない者が
いるのだろうか。否、きっと居ないだろう。





『嘲笑え、にっかり青江。
祈り導け、数珠丸恒次』


青江「ふふ、笑いなよ、にっかりと」

数珠「正しき道へと導いてあげましょう」






鋭い刃。
自分自身をするりと抜き取り上に突き刺す。

「破ッ」と2人が揃って叫んだ瞬間に
背中側の壁が爆発し、崩れた。

障害物が無くなり、
腹側の衝突してきた何かが勢いを増す。

私たちはそれに押し出され、地上に出た。
空にはただ三日月と星がキラキラと光っていた。






『夜明けまで……残りは……』


「残りはおよそ1時間半だよ」


『んで…次から次に顕現してるのかねぇ』


「どうせなので皆、主様の助けになりたいのですよ」


『そっかそっか。じゃぁ夜明けまで力を貸してよ』


「「もちろんだよ、主」」






一夜限りの刀剣乱舞



＿＿噛みちぎれ、小狐丸

＿＿祈り導け、数珠丸恒次

＿＿嘲笑え、にっかり青江

＿＿燃やせ、一期一振

＿＿絡めとれ、鯰尾藤四郎

＿＿骨の髄まで狩れ、骨喰藤四郎

＿＿幸せを運べ、物吉貞宗

＿＿きつく縛れ、亀甲貞宗

＿＿討ち滅ぼせ、小夜左文字

＿＿嘆き憂え、宗三左文字

＿＿祈りを捧げ、江雪左文字

＿＿血飛沫をあげろ、加州清光

＿＿斬首せよ、大和守安定

＿＿雅に散らせ、歌仙兼定

＿＿乱れ狂え、乱藤四郎

＿＿斬り刻め、白山吉光

＿＿骨まで砕け、鳴狐

＿＿吼えろ、獅子王




『我が命をもって命ず。
目の前の鬼を殺し、我が弟妹を助けよ』






以上全振り・顕現

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