彼女の朝と友人の格闘 ページ23
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「太刀川さん、起きてください、朝ですよ…………あれ?」
デートから帰ってきた翌日の朝
いつもなら起きてくる時間になっても太刀川さんはリビングに現れず、部屋に向かう
でも、そこにも太刀川さんはいなかった
「………まさか」
こういう時は大体、終わらないレポートを持ち、本部で缶詰め状態か
麻雀か
後者も前者も、あまり良いモノではない
ため息を尽きながらも朝食を済ませ、戻って来た時に何か食べられるように、と簡単なものを机に置き、私はローファーを履いた
「…雨、かぁ………」
これは……………
めんどくさがって帰ってこない確率が高くなった
「おはよ」
「おはよ、ナセちゃん」
「お前わたしの名前覚えてないだろ」
「ナセちゃんでしょ?」
「いやそうだけどそうじゃない」
お前のせいで皆かそう呼ばれる。と悪態つくナセちゃん
私は笑いながら席につく
「私の中でナセちゃんはナセちゃんだから」
「意味わかんねぇ」
「そう?」
ふでばこを出しながら、1限の準備をする
なんだったかな、数学かな
と考えていると、ナセちゃんは舌打ちをした
彼女の視線の先には米屋と公平がいて、どうやら私を呼んでいるようだった
それにしてもナセちゃん、舌打ちは酷い
「ごめんね」
「いーよ、別に」
睨んでることに変わりはないけれど、以前に比べれば、公平への態度が丸くなったようにも見える
不思議だ。何があったんだナセちゃん。
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別に私は、出水を認めたわけではない
少しは信じてやらんこともない、と思っただけで
だから、Aと一緒にいる出水を見ると無性に腹が立つ。ああ、殴りたい。
「………A」
「ナセちゃん、どうしたの?」
「次、移動教室」
「あ、そっかー
じゃあね、公平」
自然にAと出水を引き離し、わたしは出水を視界に捉える
「…………まだ、完璧に認めたわけじゃない」
「…えッ、あ、は……?」
「わたしの目の前で2人きりになんかさせないから」
「いや、俺もいたじゃん、今回は」
隣から聞こえる米屋の声は無視して、わたしは教室に戻る
ついでに言うと、別に、次は移動教室のある教科じゃないから。
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おむ(プロフ) - 二宮さん» 読んでくださりありがとうございます^_^ そう言っていただけてとても嬉しいです!書いてよかったなあと、心から思います!本当にありがとうございました! (2019年12月25日 23時) (レス) id: 40b62768f7 (このIDを非表示/違反報告)
二宮 - 完結お疲れ様です!ゆっくり見ました。とても面白かったです! とてもいい作品でした! (2019年11月25日 20時) (レス) id: 5c8a1b7b56 (このIDを非表示/違反報告)
藤見日和(プロフ) - 良すぎて爆死 (2016年7月17日 14時) (レス) id: 3600278a3d (このIDを非表示/違反報告)
柚 - とても良い作品に巡り会えて、感動しているのと、出水がイケメンの二つです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2016年2月5日 5時) (レス) id: 98181381be (このIDを非表示/違反報告)
柚 - ヒャァァ/// (2016年2月3日 20時) (レス) id: 98181381be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おむらーす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho
作成日時:2015年11月27日 19時