3.毒リンゴと王子様と【出水公平】

お誘い ページ15

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「A!」




迅さんの言っていた通りの時間にこいつは来た

どーしたの、と資料のようなものから目を離し、俺を見る



こういうさりげない礼儀正しさとかも
結構好きだったりする






「…今度さ、いつ空いてる?」



「今度?模擬戦とかしたいならいつでも…」



「そ、そーじゃなくて!


…………」




ほんとに言うのか?これ
恥ずくね?


声に出てしまっていたのか
Aは手帳を取り出し、俺に見せる




「ココとココ

それとココ



一日中空いてるよ」



「!」




じゃあ…!と俺はAを見る


するとAは
「なんだかんだいって、初めてのデートだ」とふわりと微笑んだ。





「すっげー楽しみ」


「私も、楽しみにしてるね」






そうだ



三輪に報告しなきゃな






Aはやることがある、と言い、
俺たちは別れた





1人で帰る帰り道に

俺は違和感を感じた




いつもならいる隣がいないことに

寂しさを感じた






「はー、さっみぃ」





そうだ


この前Aが綺麗だといっていたイルミネーションでも見に行こうか


水族館に行ってみたい、とも言ってた気がする





期待に胸を膨らませながら
俺は1人、家を目指して歩き出した






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