毒リンゴと王子様と【出水公平】

35口目 ページ36

「………」






あれ、俺。


さりげなくっつーか

思いっきり



告白、してね?






事の重大さに気づくのに、そう時間はかからなかった。

恥ずかしさで顔を赤らめていると、
赤城は、俺のマフラーを自分が使っているから寒いのかと勘違いしたらしく


俺にマフラーを返そうと、抱きしめていた手を離した。



(もう少しあのままでいたかった)





俺、相当惚れてるな、とさらに顔に熱が集まる






「ごめん出水、ありが……









と?」









「………もう少し、このままでいたい」







俺は赤城に寄りかかるような形で、抱きしめ直した。


顔が熱い。

冬の寒さが涼しいぐらい、熱い。
なれないことしてるからだ、きっと。





「ど、どうしたの……」






「ん……いや、さ。
俺いったじゃん、お前に、好きだって」







「!ぁ、うん……」






「……だから、ってのもおかしな話だけど



俺がお前のこと好きなぐらい、俺のこと好きになってもらえるように全力でいくから」









‘‘今みたいに”









抱きしめる力を少し強くすると、
赤城は顔を赤らめて、マフラーと俺の服を握りながら俯く





「出水、全攻撃…好きだもんね」








赤城は、俯いてた顔を上げて赤らめた顔で微笑んだ。



不意打ちだ。
しかも直撃。





「…っ


お前、それは反則だろ……」






ふと見せた笑顔ももちろんだったけど


前までは関心すら持たれていなかった俺のことを、少しでも知ってくれていた。



それが、どれだけ嬉しいことか。



ほんの少しの変化だけど、それは俺がずっと欲してたもの。
俺にとっては大きな変化でもあった。








.








まるで中毒だ。

そいつのことを知りたくて、知って行くうちに、まだ知りたい、もっと知りたいと

どんどん溺れていく






惚れさせると言ったのは、俺なのに

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