毒リンゴと王子様と【出水公平】

12口目 ページ13

今日は、最高についてない1日だった









「太刀川さん」








まずは朝


太刀川さんは何度起こしても起きない。




朝食も、準備も、全て私は終わらせたのに、

この人は起きる気配すらしない。





結局、ギリギリまで起こして
やっと起きたと思えばいつもの登校時間から10分も遅れていて






遅刻ギリギリの時間に私は登校することとなった









それからお昼。




友人とお昼を食べていると、化学の先生がやってきて


しかもその人にはボーダーの事で色々とお世話になっている先生で





「すまん赤城。
少し頼まれてくれ」




と言うものだから断るわけにもいかず






「…わかりました」








大量に置かれた資料を、よりによって教室から1番遠い棟の端の部屋へと運ぶ事になった。




友人は部活のミーティングがあるとかで手伝えず、

結局、私一人に。









「…重い…っての…」







階段の1段1段を丁寧に上がったり下がったり


わいわいと周りからは生徒の声が聞こえてくる






「あともう少し………」





あと、もう少しで、



もう少しで、階段のを下り終える。





そう、少し油断したのが悪かった。








階段を降りきる直前に、目の前の角から誰かが走ってやってきたのを


避けきれなくて


それどころか足を変に動かしてしまった







「うわッ⁉」




「っ‼」








大量に積まれていた資料は床に散乱し


私も、向こう側も、地べたに打ち付けられた








「…出水……?」





「げッ‼赤城⁉」








この時の嫌そうな顔を

私はきっと忘れないだろう。

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