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第2話 〜板チョコハプニング〜 ページ2

A「最っ悪···」

そう呟き、ミルクの板チョコをぱきん、とかじった。

バレンタインなのに一度もチョコに触れないのはなんだか悔しく、スーパーに寄り道して板チョコを買った。

大っ嫌いな私への自分チョコだ。

村山の物理で寝て怒られるし、バレーボールはミスばっかりだし、1年生の女の子に香坂くんとられるし···

嫌なことを頭の中からほじくり返しながらぼんやり歩いた。

交差点で立ち止まったその時、誰かにぶつかられた。

?「痛え〜···」

額を押さえてうずくまる少年を見て、私は言葉を失った。

目の前で半泣きになっている少年は、紛れもなく今朝の妄想に出てきたイケメンくんだ。

これは一体どういうこと···!?

同時に私は、手の中にあるはずのものがないことに気付いた。

A「あれっ···? ···ああああぁぁぁっ!」

まだ一口しかかじっていない板チョコが、ぼとりとアスファルトの上に落ちていた。

自腹切って買ったのに! 学校で既に散々な目に遭った挙げ句にこの仕打ち!?

A「私の板チョコ···」

?「えっと··· その、ごめんなさい···」

A「ごめんじゃないわよ、どうしてくれるの!?」

?「これってもう···?」

A「食べられないに決まってるでしょ!?」

?「じゃ、じゃあ僕が貰ってもいい!?」

A「はあ···?」

砂の付いたチョコなんか貰ってどうするの?

?「いただきまーす···」

食べるんかい!

?「おいしい〜、こんなおいしいものがあるからこの世界はなかなか滅ぼせないんだよね···」

はっ!?

A「どういう意味?」

?「え?」

A「今言ったことの文意!」

?「···教えない。」

A「教えて!」

?「やだ。」

A「じゃあチョコ返して!」

?「もう食べちゃったもん。」

A「だったらお金で!」

?「僕、この世界のお金持ってないよ。」

こ、こいつ···!

睨み合いの末、私はこう提案した。

A「教えてくれたらもう一枚チョコ買ってあげるけど。」

?「教える!」

単純···

第3話 〜ミルクとビター〜→←第1話 〜私なんて大っ嫌い〜



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設定タグ:恋愛 , 夢小説 , チョコレート   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ツミキ - ご執筆くださりありがとうございます!更新される度飛んできてました。後味もすごい良くて、本当に感謝の限りです。ありがとうございました! (2017年11月10日 20時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MIZORE | 作成日時:2017年9月14日 23時

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