142話 上機嫌 ページ49
少しビクビクしながら彼を見ると、彼は頬杖をついて見つめているだけだ。…流石にこっちが体調不良だから大人しくしててくれてるのかな…
『(いつもこのくらい大人しかったらいいんだけど…)』
「なぁ、いつ俺らのチームに来てくれんの?」
『え?あー…あはは、どうかな…ドイツチームがここの部屋から近いからさ(正直凛くんと士道くんの事があるからな…)』
「ふぅん?」
片手を握られる。少し戸惑ってしまったが、苦笑して見せた。ここで暴れられたら洒落にならない…
『(ていうか近い…)…ねぇ、やっぱり私のせいで風邪とかうつしたら大変だから部屋に戻った方が、』
「俺が寝込んだらAちゃん看病して♡」
『…私もう眠いし…』
「寝るまでいたげる」
『…』
やっぱりこうなった…困ったな、とうーんと唸る。
『…じゃああと少しだけね。帝襟さんに見つかったら怒られるんだから。…私が』
こうやって甘やかすの私の悪いところだよね…でももう気力が無い。まぁ彼も今は機嫌がいいみたいだし、暴れたりはない、よね…?
握られた彼の手に視線を落とす。
『(…手、大きいな…)』
「(お?)」
『(ていうか休んだ分勉強巻き返さないと…)』
「(おお?)」
『(でも久々にこんなにゆっくりできたし、取り合えず今日明日はまだ大人しくして…)』
「Aちゃん」
『ん?……あ、』
色々考えていたからか、無意識で彼の手を握り返していた。…恋人繋ぎで。
『……あー…えっと…ごめ、』
「やーん、Aちゃん積極的♡」
『ちょ、ちょっと…うわっ!』
士道くんが上に覆い被る。ヤバいヤバい、上機嫌でもやっぱり問題有りだった…!鼻先が触れそうな距離で顔が近づく。
「あー、やば興奮してきた」
『ヒィ…!』
「少しぐらいいいよな?最近色々我慢してたんだし」
『待って待って待って…!』
士道くんが舌舐めずりをする。終わった。
するとコンコンッとノックの音。
「Aちゃん、入るよ?具合はど、」
「あ、」
『あ、』
…部屋に入ってきた帝襟さんの叫び声が響き渡った。
___
「やっぱり友達と言えど選手を部屋に入れるなんてダメなんだわ…!Aちゃん、玄関にまきびし撒こう」
『でも今回は私が鍵を閉め忘れたのもありますし…え、まきびし?』
1478人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
苺子(プロフ) - AYさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんストレスばかりですが、日々頑張って働いてます…((キャラの心情の変化を心がけて書いているので、そう言ってもらえるととっても嬉しいです(о´∀`о)更新頑張ります! (5月10日 19時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 夢主ちゃんの胃に穴が開きそう… 沢山休んで欲しい😭 あとだんだんと逆ハーになってて読むのがとても楽しいです!!更新頑張ってください! (2023年5月6日 14時) (レス) @page50 id: faf5f904a1 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます!あなた様の小説拝見した事があります…!そんな人からコメントを頂けて嬉しいです🥰これからも応援よろしくお願いします…! (2023年3月17日 20時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - これは玲王様静かにブチ切れ案件っすね……☺️御曹司様はお強いですね…… (2023年3月16日 20時) (レス) @page47 id: 4a8f05344b (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 乃愛さん» コメントありがとうございます!可愛らしいイラストですよね!作者も気に入ってます(*´꒳`*) (2023年3月14日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:苺子 | 作成日時:2023年2月3日 17時