140話 眠気 ページ47
「あ、そうだ!ゼリーとかなら食べれるかと思って持ってきたんだよね。運んでくれたのは御影くんだけ、ど…」
段ボールを開け言葉を止めた帝襟さん。中身は大量のカップ麺とカップ焼きそば。…これって…
「…これ、絵心さんのだ。持ってくる箱間違えた…!」
『(絵心さん相変わらず不摂生だな…私も人のこと言えないけど…)』
「失敗した…Aちゃん、ここのペン借りていい?」
コクリと頷く。彼女は机にあったペンで箱に書く。恐らく中身が分かるような内容だろう。書き終わり、「一回戻ってまた取り換えてくるね」と彼女は段ボールを持つ。
「あ、あと御影くん。心配なのは分かるけどなるべく早く部屋出るように。本当はAちゃんの部屋、選手入っちゃダメなんですから」
「はーい」
静かに扉が閉まり、もう一度水を飲んだ。玲王くんは私と目線を合わせるようにしゃがんだ。
「他に何かして欲しいコトあるか?」
『…少し…ここにいて…』
「ん、」
ぽんぽんと背中を叩かれる。喉痛い…飲み物を追加で持って来てもらえれば良かった。
『…もう疲れた…』
「…」
『…私、ここにいる意味ある…?』
か細く呟く。嫌だなぁ、こんな自分。面倒くさいと思われるに決まってる。
「んなことねぇって。お前は誰よりも頑張ってる」
『うぅ…辛いってぇ、あんなに言わなくてもいいじゃん…!』
「そんなに辛いならドイツチームから一回離れたらどうだ?」
『でもノア選手がいるから…』
「…お前それが本音だろ?」
かっこいいんだよ…何であんなにかっこいいの…それに國神くんのことが心配なのもある。いや、余計なお世話だとは思うけど。
「大丈夫だって。俺がいるだろ?」
『うん…皆助けてくれるし、それは分かってるけど』
「皆じゃなくてさ、」
「俺がいれば十分だろ」
にっ、と笑う玲王くん。私はうまく纏まっていない頭の中でその台詞を繰り返した。十分…?じゅうぶん…
「千切や凛なんかよりもいいだろ?…あと凪」
『…うん…?…うん、そうだね…?』
…何か発言間違えたような気がするけど…まぁ玲王くんが楽しそうだからいいか。
「あ、あと」
『?』
「ボロクソ言われたって言ってたけど誰に?俺、ムカついてんだけど」
『…』
「あ、おいコラ。狸寝入りすんな」
1478人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
苺子(プロフ) - AYさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんストレスばかりですが、日々頑張って働いてます…((キャラの心情の変化を心がけて書いているので、そう言ってもらえるととっても嬉しいです(о´∀`о)更新頑張ります! (5月10日 19時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 夢主ちゃんの胃に穴が開きそう… 沢山休んで欲しい😭 あとだんだんと逆ハーになってて読むのがとても楽しいです!!更新頑張ってください! (2023年5月6日 14時) (レス) @page50 id: faf5f904a1 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます!あなた様の小説拝見した事があります…!そんな人からコメントを頂けて嬉しいです🥰これからも応援よろしくお願いします…! (2023年3月17日 20時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - これは玲王様静かにブチ切れ案件っすね……☺️御曹司様はお強いですね…… (2023年3月16日 20時) (レス) @page47 id: 4a8f05344b (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 乃愛さん» コメントありがとうございます!可愛らしいイラストですよね!作者も気に入ってます(*´꒳`*) (2023年3月14日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:苺子 | 作成日時:2023年2月3日 17時