138話 甘い ページ44
カイザー選手の首元から離れ、今度は潔くんに抱きつく。もう熱をうつしてしまうとか考えられなくて、ぼー…とする。
「い、いいから今は寝よ、な？」
『…』
「カイザーの事も抱きしめなくていいから…！」
「ネス、食堂から飲み物持ってきてくれ」
「…ですが、」
無言で彼が見つめるとネス選手は肩を小さく振るわせ「…分かりました」と頭を軽く下げた。
「行きますよ、世一」
「はっ⁉︎何で俺まで…！」
「ここで騒いで彼女の具合が悪化してもいいんですか」
「っ…おい、カイザー。Aに変なことすんなよ」
「何もしないさ、俺はな」
カイザー選手は両手をあげ“何もしていない”ポーズを取るが、私が彼を抱きしめている所を見て潔くんは更に嫌そうな顔をする。
しかしここで喧嘩をするべきではないと引き下がり、無言で部屋を出ていった。
「(大丈夫かな、A…)」
「(…あの女…カイザーに熱でもうつしたら殺す…Aも他のクソ女共と一緒だ。カイザーというブランドにしか興味ない女、)」
うざったい、とネスは1人、心の中で殺意を抑えていた。
「…おい、いい加減離れろ」
2人になった空間で低く言われる。
…関節痛がする。そういえ以前風邪をひいた時も特に関節痛が酷かったな、
『…が…だ…』
「あ？」
『……お願い…抱きしめて…』
蚊の鳴くような声。彼の首元にスリ…と頬をすり寄せる。もう誰でもいい何でもいい。抱きしめて欲しい。
「…はは、随分積極的だな」
可愛いねずみちゃん、と耳元で話される。それでも彼はベッドに置いた手を私の太ももに移動させ、「ん？」といった余裕のある顔で覗き込むだけ。
「それで、何て？」
『…』
「お前の口からもう一度言ってくれ」
彼の白い指先が頬を撫でる。揶揄うような顔。
…この時の私は熱で浮かされていたせいか、変にムキになっていた。
『…ん、』
目の前に映る青薔薇のタトゥーにキスをする。
カイザー選手の中でその行動が意外だったのか、ピシッと固まった。
「…」
『ケホッ、ケホッ…』
何でもいい。早くハグして欲しいと彼の首元に再び抱きつく。
小さく咳をしていると、カイザー選手は何を思ったのか先程の態度とは打って変わり、ぽんぽんと優しく背中を叩き抱きしめた。
「(…クソ生意気)」
『うー…』
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苺子(プロフ) - AYさん» コメントありがとうございます！夢主ちゃんストレスばかりですが、日々頑張って働いてます…((キャラの心情の変化を心がけて書いているので、そう言ってもらえるととっても嬉しいです(о´∀`о)更新頑張ります！ (5月10日 19時) (
レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 夢主ちゃんの胃に穴が開きそう… 沢山休んで欲しい😭 あとだんだんと逆ハーになってて読むのがとても楽しいです！！更新頑張ってください！ (2023年5月6日 14時) (レス) @page50 id: faf5f904a1 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます！あなた様の小説拝見した事があります…！そんな人からコメントを頂けて嬉しいです🥰これからも応援よろしくお願いします…！ (2023年3月17日 20時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - これは玲王様静かにブチ切れ案件っすね……☺️御曹司様はお強いですね…… (2023年3月16日 20時) (レス) @page47 id: 4a8f05344b (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 乃愛さん» コメントありがとうございます！可愛らしいイラストですよね！作者も気に入ってます(*´꒳`*) (2023年3月14日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺子 | 作成日時：2023年2月3日 17時
